終わったとお思いでしょうが、香港里帰りシリーズはまだ完結しておりません(笑)。では続きを!
「九龍」は「クーロン」ではない。
「クーロン島」なんて島もない
香港は実は200余の島々からなる土地であることは、意外と日本人を含む外国人には知られていない。そしてそのほとんどが手つかずの自然であるということも。こりゃもう仕方ない。香港のアイコンというかサムネイルというか、そいうのって100%が九龍半島から眺めた香港島の夜景であり、ビクトリアピークから眺めた、俗に言うところの「100万ドルの夜景」なのだから。
ついでに言っておくと、「九龍」は「クーロン」ではないし、ましてや「クーロン島」なるものでもなく、大陸側の先っぽの半島部分である。何度言ってもわかってくれない人がいるから困る(笑)。
島めぐりは手軽なレジャー
200余の島々で、最も大きいのが空港が引っ付いている「大嶼山(Lantau Island/ランタオ)」、次いでお馴染み「香港島」、三番目が「長洲(Cheung Chau/ちょうしゅうとう)」である。あとは「南丫島(Lamma Island/ラマ島)」「坪洲(Peng Chau/ぺんちゃうとう)」などに人が居住するが、その他の200近い島々は無人である。
この島々を巡るというのは香港在住者にとってこの上もないレジャーであり、行けば街中よりも安い海鮮料理にありつけるし、都市部に近接する香港島や九龍半島側とは比較にならない美しい水質に恵まれたビーチがあるし、トレッキングやサイクリングも楽しめるってことで、週末ともなれば人々がどっと島々に押し寄せる。
ってわけで、週末じゃなかったけど、数年ぶりに島めぐりを楽しんできたっていう話題である。
香港仔から長洲を目指す
まず目指すは、「長洲」。我が地元、香港仔(Aberdeen)から乗船。桟橋の奥に停泊中の船で行く。「板子一枚下は地獄」と言うが、そんな恐怖を感じるのが嫌ならば、中環(Cetral)から大きな船が出ているのでそっちを使えばよいが、風情はこっちのほうが格段に上であると、一応、地元贔屓のコメントをしておく(笑)。
平日と言いがら、この日は「情人節(バレンタインデー)」だったもんだから、老いも若きも小生以外の客は全員カップルというこの悲劇(笑)。
小一時間ほどで船は長洲の埠頭に到着。バレンタインデーのこの日、長洲は早くも春が来たかのような南国の風が吹く。同じ香港なのに、この違い。埠頭前には、観光客相手の土産物屋、海鮮料理店、「渡暇屋」(民宿のようなもの)の案内カウンターが並ぶ。まあ、一人旅だから海鮮料理店にも民宿にも用はないけど、土産物屋くらいは覗いておこうかといくつかの店の暖簾をくぐった(いや、実際には暖簾なんてないけど、比喩表現として、ねw)が、蝦味噌ペースト以外にはこれっちゅうもんなし。その蝦味噌ペーストにしたって、これがあれば料理の幅が広がること請け合いなんだが、さりとて一瓶も必要ないしな~。など思いながら、街歩きに入る。
「島ブラ」で現実逃避
島をぶらついていると、ほどなく感じの良い広場に。実にのどかな空気が漂う。香港人が週末ごとに離島へ大挙して繰り出すのは、こののどかな空気に身をゆだねるためにほかならない。あの窮屈な街中で日々を営んでいる身にとって、同じ香港の中にこんな風に1時間ほどの船旅で現実逃避できる場所があるのだ。そりゃみんな行くよ。
さっき、一人旅に民宿は用がないと記したけど、考えようによっては、たとえば5泊のうち2泊もしくは3泊をこの島での~んびり過ごすっていうのもアリかなと、島ブラをしながら思った。いや、大いにアリだろう。相当心が洗われると思うが。こういう滞在の仕方をHKTBは積極的に提案したらいいのに…。あ、そんなことしたら大陸旅団が島を占拠してしまうからアカンな(笑)。
それにしてもベンチで居眠りしているおっちゃん、こんな姿勢で逆に疲れへんかえ?
大嶼山(Lantau Island/ランタオ)を除く離島は4輪車の走行は禁止されている。道が狭く入り込んでいるのと、わざわざ車を走らせる必要もないからである。ただし、緊急用車両(パトカー、消防車、救急車など)は「トミカ」みたいなちっちゃな車が出動する。そんなわけで、離島の主力車両は自転車である。埠頭周辺は日本の駅前のごとく、自転車が並ぶ。そりゃそうだ。香港島や九龍への通勤通学にはここから船に乗るわけだから、家から自転車に乗ってきて、「待ってぇ~~~!」と叫びながら船に乗り込むわけだから。
島には海賊の隠れ家だったとされる洞窟なんぞもあるが、結構歩くのでこの日はパスして、埠頭の反対側にあるビーチの方へ行くことにした。
途中に先に写真で紹介した「情繋長洲」の壁があるほか、日本人が経営する茶店もある。ここのお焼き(お焼きが何のことなのか、いまだに大阪人にはわからないw)がなかなか香港人に人気なんだが、小生は試したことがない。他には「なんかちょっと変」な巻寿司なんぞもこの店で販売されている。
そして埠頭の反対側は、この通りの場所である。
要するに「もう帰りたくな~~い!」と叫びたくなるような風景が待ち受けているのである。何度も来ているのに、ここまで感動するとは、自分でもちょいとびっくりしたくらいだ。ビクトリアハーバーで、いわゆる「100万ドルの夜景」に心とろけるのもいいが、香港旅行の際には、ぜひこういう景色も見ておいてほしいと思う。これもまた香港の素晴らしい魅力なのだ。
ビーチのそばには古風な病院があり、例のトミカのような小さな救急車がひっきりなしにやって来る。「どんだけ急病人多い島やねん!」と突っ込みたくなるほどに。その都度、香港島から救急ヘリが飛んで来て緊急移送する手際の良さは、すごいな~ってところだが、ここがまた離島暮らしの辛いところでもあるわな。
島にはこんな瀟洒な建物も散見する。どこかマカオの古い街並みを思い起こさせる。そう言えば、今回の里帰りではマカオには行けなかった…。次回はぜひ!と思うも、さてそれはいつになることやら…。
横水渡で次なる島を目指す
さて、そろそろ長洲を離れ、次なる島へ向かうとするか…。
島から島へ渡るには、「横水渡(Inter Islands)」と言って長洲⇔ランタオ島⇔坪洲⇔中環(Central)を横断(縦断?)する航路があるのでめっちゃ便利。もちろんICOCAみたいな「八達通(Octopus cards)」が使える。
今度来たときは必ずこの島に泊まって行く!と、いい加減な決意をして、長洲から船に乗り込み、島めぐり2つ目の島「坪洲」を目指すのであった。
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
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