『ハーバー・クライシス 都市滅亡』
(台題=痞子英雄 黎明再起)
今月はPCにまともに向き合う時間もなく、たまの休日もぼけ~っと過ごして無為に時間をやり過ごすという日々。久々に平日の休みとなったので、上映中の台湾の話題作を観に出かけた。
「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。
前回観た台湾映画『共犯』は社会派の作品だったが、今回は娯楽超大作の趣。2012年に日本でも公開された『痞子英雄 首部曲 全面開戦(邦題=ハーバー・クライシス〈湾岸危機〉Black & White Episode 1)』の続編にあたる一方で、台湾で大ヒットしたテレビドラマ『痞子英雄(邦題=ブラック&ホワイト)』の続々編という位置づけでもある。
主役の趙又廷(マーク・チャオ)は、テレビ版がデビュー作にして出世作となり、一気に中華電影圏を代表する俳優の一人になった。
惜しむらくは、彼がまだ日本では知名度が低いこと、そして小生がテレビ版も劇場版第1作も観ていないことから、それほど期待していた作品ではなかった。もちろん、世間的にもほとんど注目されていない作品である、恐らく。そんなわけで…。この日の上映、観客3名…。これはあまりにも可哀そうだ。気の毒だ。いくら平日夕方17時15分からの上映と言っても、これはもう…。
台題 『痞子英雄 黎明再起』
英題 『Black & White: The Dawn of Justice』
邦題 『ハーバー・クライシス 都市滅亡』
製作年 2014年
製作地 台湾
言語 標準中国語
評価 ★★☆(★5つで満点 ☆は0.5点)
導演(監督):蔡岳勳(ツァイ・ユエシュン)
領銜主演(主演):趙又廷(マーク・チャオ)、ケニー・リン(林更新)、黃渤(ホアン・ボー)、張鈞甯(ジャニーヌ・チャン)
主演(出演):修杰楷(シュウ・ジエカイ)、關穎(テリー・クァン)、鄒承恩(ジェイソン・ツォウ)、蔡岳勳(ツァイ・ユエシュン)、李銘順(クリストファー・リー)、洪晨穎(ホン・チェンイン)、呉仲強(ハンク・ウー)、湯志偉(タン・ジーウェイ)
【甘口評】
この手の映画は、香港映画に一日の長ありで、あえて台湾映画はその領域に挑もうとしてこなかったフシがあるように思っていたんだが、その領域に果敢に挑み、超えてやろうという意欲を随所に感じた。監督自身もコメントで、あえて香港映画を意識したとは語っていないものの、「エンタテイメント性あふれる現代のアクションを作りたい」とか、「世界的にアピールするより…(中略)…アジアの観客がより楽しめる」などと語っていることからも、香港映画を「意識」というよりも多大な「影響」を受けたことには違いない。自身も監督、脚本はもちろん、悪の主役も演じて大ハッスルの意欲作。
俳優陣では、ケニー・リン(林更新)が主役の「相棒」に加わり、そのクールな役どころが、一層、主役の「熱さ」を引き出すのに役立ったようだ。また、最後まで武装組織「夜行者」と戦った特殊部隊員役の修杰楷(シュウ・ジエカイ)の演技も光った。
【辛口評】
やはり3D作品を2Dで観ると、随所に「アラ」が見えてしまうのが勿体ない。勿論、2D用に映像を処理しているんだろうけど。3Dで観たら、まったく違った見え方や感想になっていたとは思うが。また、「作り物」のセット丸わかりな場面も多く、ストーリーの壮大さゆえに損してしまったような場面が目立って、意気込みが空回りしてしまったようにも見えた。男優陣の奮闘に比べ、女優陣の活躍する場面が少なかったのも残念。
■
ま、どうでもいいことと言えば、そうなんだが。
ケニー・リンはとてもイケメンなのだが、笑い顔や表情の多くがどうしても若き日のアントニオ猪木に見えてしまって…。「え?」と思った方は、どうぞうこの映画を観に行ってください。きっかけは人それぞれ。とにかく劇場で作品に触れて、台湾映画を観るきっかけにしてほしい。重ね重ね、台湾で大ヒットした作品なのに観客3人はあまりにも悲しすぎる。
「痞子英雄:黎明再起」前導預告
(平成27年10月23日 シネマート心斎橋)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
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