『アイスマン』
(港題=冰封俠:重生之門)
充実のラインナップがそろった「第10回大阪アジアン映画祭」も終了し、一段落つかないのが、香港映画好きの辛いところ(笑)。今週もまだまだ続く香港映画の日々。
香港のアクション俳優の現在の頂点にあり、監督、プロデューサー、アクション指導者、アクション監督、武術家と幅広く活躍している甄子丹(ドニー・イェン)は、以前からずっと気になっている存在。実は、彼とは生年月日がまるっきり同じなのである!ってことで、干支占い、星座占い、九星占星術などは一切当てにならないということが、ここに見事に実証されたのである(笑)。片や香港を代表するスーパースター、こっちはと言えば、でれ~っと毎日を過ごしているアホ…。この差は一体何なんだろう、ってずーっと昔から思って来た。
そんな、恐らく世界中の1963年7月27日生まれの男子の中で、最高の地位にあろうかという甄子丹の作品を見てきた。いやいや、この期に及んで嫉妬なんて全くしてませんからね(涙目)。
「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。
港題 『冰封俠:重生之門』
中題 『冰封:重生之门』
台題 『急凍行者(上卷)』
英題 『Iceman』
邦題 『アイスマン』
現地公開年 2014年
製作地 香港、中国
言語 広東語
評価 ★☆(★5つで満点 ☆は0.5点)
導演(監督): 羅永昌(ロー・ウィンチョン)
動作設計(アクション監督):甄子丹(ドニー・イェン)
領銜主演(主演):甄子丹、黃聖依(ホァン・シェンイー)、王寶強(ワン・バオチャン)、任達華(サイモン・ヤム)
主演(出演):喻亢(ユー・カン)、盧海鵬(ロー・ホイパン)、林雪(ラム・シュー)
【超級辛口評】
う~ん。これはなんと言えばいいんだろう…。思うに、本来は3D映画なのだから、やっぱり3Dで観なけりゃならないんだろう。それを2Dで見せるから無理がありすぎた…。そんな結果になってしまったのは、甄子丹はじめとするキャスト、羅永昌はじめとする制作側、もちろん観客にとって、不幸以外の何物でもない。特に、終盤の青馬大橋(実はセット)での大立ち回りは、あそこは言うまでもなく3Dのための大立ち回り。そういう映像技術を駆使しているのが2D画面からも十分伝わってきただけに、勿体ないったらありゃしない。言いかえれば、2Dでは面白さ激減のアクションシーンを一番の盛り上がりの場面に持ってきてしまったということにもなる。そこは仕方ないっちゃ、仕方ないけど…。
とにかく、3Dだの2Dだの以前の問題として、筋書きがわかりにくい、伝わりにくい。帰宅して、ネットで確認して「ああ、なるほど、そういえばそういう筋やったなぁ」というようなことではダメだろう。
甄子丹という押しも押されぬスーパースターを主演させ、王寶強という実際の嵩山少林寺出身の苦労人が脇を固め、大御所・任達華に加え、盧海鵬、林雪といった名脇役が揃っているのに、かなり残念な出来。キャリアを積んでいる羅永昌が監督だっただけにさらに残念。
続編があるとのこと。期待したいが、果たしてどうだろう…。
【ちょい甘口評】
王寶強が武侠片の面白さを存分に見せていた。彼はもっと香港で重用されるべき人材だと思う。甄子丹にあこがれているとのことだから、ドニーにどんどん引っ張ってもらうとイイと思うな、ぜひそうしてあげてほしい。林雪が相も変わらずの好演~彼の「好演」とは観客の腋をくすぐることである。
《3D冰封俠:重生之門》先行預告
(平成27年3月17日 シネマート心斎橋)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
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