【睇戲】『ファイアー・レスキュー』(港題=救火英雄)

『ファイアー・レスキュー』
(港題=救火英雄)

久々の香港映画。やっぱり、おなじみの顔がスクリーンで広東語をしゃべっているのを見ると、ホッとしちゃう小生は、香港から引き上げて来てそろそろ5年になるのに、まだ「リハビリ」が終わっていないようで、その症状はかなり深刻なレベルである模様…。ま、生活に支障はきたしていないので、いいけど(笑)。

「睇戲」と書いて「たいへい」。広東語で、映画を見ること。

今回は、香港人大好き「消防署モノ」。警察モノがやっぱり人気だが、消防署モノもなかなか人気がある。って言うか…。なんか画面いっぱいに炎が燃え盛ったり、爆発したりするのがお好みなんだな、この人たちは。どこの国でもその傾向はあるようだけど、香港映画にしてもテレビドラマにしても、この手の作品は内容如何にかかわらず、人気がある。

主演は、謝霆鋒(ニコラス・チェ)。小生が在住していたころ(1995年~2009年)のアイドルの一人で、父親は謝賢、母親は狄波拉。どちらも1970年代のスター。

そういえば、ニコラスはデビュー前に日本へ音楽を学ぶために留学していたなあ…。
そういえば、2003年秋の「SARS復興支援」でストーンズが来たとき、前座で出演してたなあ…。
そうえいば、王菲(フェイ・ウォン)と一時期交際してたなあ…。
そういえば、自動車事故起こして、しばらく刑務所に入ってたなあ…。
そうえいば、張栢芝(セシリア・チョン)と結婚して子供生まれたけど、結局離婚したよなあ…。

と、「そういえば」の連続で申し訳ないが、こんな具合に頻繁にゴシップネタを提供してくれる憎めないヤツでもある。若い頃は、それこそ「親の七光」とばかりにバッシングの標的にされたけど、めげずによく頑張ってきたとは思う。思うけど、こんな感じで週刊誌を喜ばすような甘さもあった…。

『十月圍城』(邦題=孫文の義士団)で、「お、やるやん」みたいな一端をみたので、さあ今作はどんなもんでしょ? あくまで小生の中では、「ちょっとした不良が親のごり押しでアイドルになってしまった」ボクちゃんという感じなんだが…。

9cf6fa15a9d6060b5b1352c100f4a51d港題 『救火英雄』
英題 『As The Light Goes Out』
邦題 『ファイアー・レスキュー』
制作年 2013年
制作地 香港
言語 広東語

評価 ★★★(★5つで満点 ☆は0.5点)

導演(監督):郭子健(デレク・クォック)

領銜主演(主演): 謝霆鋒(ニコラス・チェ)、余文樂(ショーン・ユー)、任達華(サイモン・ヤム)、胡軍、白冰(バイ・ピン)
主演(出演):安志傑(アンディ・オン)、陳偉霆(ウィリアム・チャン)、譚耀文(パトリック・タム)、廖啓智(リウ・カイチー)、呉浩康(ディープ・ン)、衛詩雅(ミシェール・ワイ)、關智斌(ケニー・クァン)、洛詩
特別演出(特別出演):成龍(ジャッキー・チェン)

ま、成龍の特別出演って言っても、劇中で警察のTVCMが流れるシーンがあって、そこで「キミも警察官になろう!」って出て来るだけなので、ストーリー展開には何の影響も及ぼさないから、ジャッキーファンの人にはあらかじめお断りしておく必要があろうかと(笑)。

【甘口評】
▼ストーリーとしてはどうだろう、『海猿』の香港消防バージョンってところか? 筋立て自体は、まったくややこしくない。こういうの大好き。でも、なんかジーンときたり、すごくエキサイティングだったりと、香港映画の王道パターンだろう。116分はあっという間に過ぎる。
▼ベテランの任達華が「さすが!」のいい演技をしている。ベテラン消防官として、謝霆鋒演じる主人公のサム大隊長を時に正面から、時に側面から援護し、最後は発電所の大火災現場で殉職する。任達華がいることで、ストーリーも画面も引き締まる。謝霆鋒のファンには申し訳ないが、任達華が出演していればこその、ヒット作だったと思う。
▼「筋立て自体は、まったくややこしくない」とは言え、主人公サムの抱える「あるトラウマ」や過去、大陸から来たベテラン消防官の過去などがストーリーに奥行きを持たせており、監督と同時に脚本も手がけた郭子健の若き才能を感じさせられた。
▼謝霆鋒はしばらく見ないうちに随分と大人の俳優になった。いろんなジャンルの作品に積極的にチャレンジしていたようで、その成果が実ってきたのかもしれない。と、正真正銘の「甘口評価」しておこう。そして白冰はイイ女である!

【辛口評】
「香港映画の王道パターン」と言ってはみたが、発電所に見学に来ていた消防官の子供が単独行動をとって、火災に巻き込まれてしまい…。というパターンは、もう何度も見てきたし結末も読めるので、もうやめないか?(笑)。まあ、わかっていてドキドキしながら観ている自分もいるわけだが(笑)。任達華がイイと言ったが、逆に任達華が出ていなかったら、謝霆鋒が全てを背負う形になっていたのか?、と思うと、出演陣を揃えたわりには、それぞれによい意味でのアクのノ強さが不足していたと見えた。そういう意味では、余文樂も安志傑もまだまだだなあと思った次第。

《救火英雄》Filmart 2013 預告

(平成26年11月7日 シネマート心斎橋)

 


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