台風11号は、雨の被害がいつも少ないこの大阪市でさえ、昨日までの72時間雨量が統計開始以来、8月の観測史上最多（222.5mm）を記録したという凄まじさでした。
で、話は変わりますが、最近よく「ゲリラ豪雨」とか「ゲリラ雷雨」とか言いますね。
あれ、「ゲリラ」の意味知って使ってるんか？と、ベトナム戦争をかすかに記憶する世代としては、余計な心配をしちゃいます（笑）。
閑話休題（それはさておき）、
本当の「ゲリラ豪雨」って、どんなんだか知ってます？
これは香港在住2年目の1996年の夏のことです。
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当時の勤務先の入居するビルは、三叉路どころか、四叉路、五叉路くらいにあっちゃこっちゃから道路が集結する交差点で、その中にはトラム（2階建て路面電車）も走る道もあって、そりゃもう1日中大渋滞の交差点でした。
ある日、唯一の外勤日本人営業だったボクは、ようやく出先から戻り、こぞって昼飯に出かけている暢気な香港人スタッフたちに、やや憤慨しながら、遅めの食事に出かけました。
で、その交差点で信号待ちしていたら…
「あら、びっくり！」
なんと、なんと！ 交差点のど真ん中だけ滝のような豪雨じゃないですか！
「ええええええええ～～～～～～！！！！！」
そりゃ、驚きますよ！ あんな光景初めて見ましたからねえ。
周囲は、ッて言うか、空を見上げれば、あたり一面は雲ひとつない青空、真夏の太陽が燦々と照りつけておりまする。
なのに、交差点のど真ん中だけ土砂降り、道も濡れて、当然降った雨水は道路の端っこの方へ流れて行きます。
もし、この時代にせめてカメラ付きの携帯電話があれば、絶対激写してTwitterやらFacebookにすぐさま載せてますよ、昼飯なんかどうでもいいです、その際は（笑）。
雨はわずか10数秒で上がり、その交差点を渡るときにはすっかり何事もなかったように道路もあっという間に乾き、ボクも濡れずに済みましたが…。実は、濡れたかった（笑）。
で、一応、しっかりと近くのベトナム料理屋でカレーを食って会社に戻り、もう2時半を過ぎているのに営業にも出ず、ウダウダおしゃべりしている香港人たちに
「君たち！ 俺はさっきすごい体験をしたんだぜ！」
って、さっそく話してやりました。どうだ、すごいだろ～気分で。
するとどうでしょう！
連中曰く、「別に珍しいことでもないねえ」と！！！
聞けば、「しょっちゅうあるわけではないけど、そういうこともある」と。
「ポンと雨雲ができるんでしょう、道路の熱気とかが原因じゃないかな？」ですと！
確かに、ちょちょまっていたのはボクだけで、信号待ちしていた他の香港人の皆さんは、驚きの様子はありませんでしたから、奴らが言うように、決して珍しくも無いんでしょう。でもねえ、田舎の山奥ならまだしも、大都会のど真ん中だからねえ、あそこは…。
一方、日本人社員は「うそでしょ～、妄想でしょ～」などと鼻で笑ってましたが…。ちきしょー！見たんだから、俺！！
以来、小生はこのような雨こそ、正真正銘の「ゲリラ豪雨」だと信じてやみません。だから今日本で起きている「ゲリラ豪雨」ってのは、「モーレツな夕立」と自分で言い換えているほどです。
で、連中の申す通り、以降14年間の香港生活で、小生はこの現象に3回、出くわしたのであります。
なんだか別な意味で「香港の底力」というか「香港力量」を見せつけられた気分でした。
ある夏の思い出話…。
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
