続・アナタの知らないマカオ
デモのその後
市民の勝利に舞い上がる『蘋果日報』
前回、「かつてない規模の市民による政治行動が起きているのに、日本のメディアに見向きもされないマカオがあまりに不憫」という理由で取り上げた、「離補法反対!」デモ。これがいともあっさり撤回されちゃった。もっと揉めろ!と心中密かに期待していた、不謹慎な小生としては、肩透かし食らった気分(笑)。
まあ、でもよかった。あんな理不尽な法ができてしまうと、マカオは政府高官による無法地帯になってしまう。「無法」は闇の世界だけにしておこう、マカオ!
香港における「民主、民意のファシストメディア」をひとり突っ走る『蘋果日報』が速報している。(もちろん、「なぜ香港はこうならないんだ!」という若干の恨み節も滲ませつつww)。
《【撤回離補】澳門特首宣佈撤回 團體:澳門市民勝利了!》=「離補法撤回」マカオ行政長官が宣言、反離補法市民グループ「マカオ市民の勝利!」
の見出しが、ウエブ紙面に躍る。「市民の勝利」ってのが、よほど嬉しいんだろう。さすが『蘋果日報』(笑)。
舞い上がる見出しの速報記事によると、
崔世安行政長官は、「候任及離任行政長官及主要官員的保障制度」(俗に言う「離補法」)草案の撤回を宣言した。また、反対派市民グループ「澳門(マカオ)良心」のメンバー、蘇嘉豪氏が自身のFacebookサイト『正本清源(Sulu Space)』で「勝利宣言」した。
離補法では、行政長官と政府高官は離任後も毎月在任時給与の70%が保障されるほか、行政長官は在任中はいかなる刑事責任も問われないなどの条項が盛り込まれていたため、市民から反発されていた。
台湾の学生運動に影響受けた若者がデモをリード
ほう、この「澳門良心」なる市民グループが今回の反対デモをリードしていたのか。初めて聞く団体だな。で、それを牽引するのが蘇嘉豪ってやつか…。さっそくFacebook見て来て、冷やかし半分情報収集半分でフォローしてきたけど、なんとまあ、普通のアンちゃんじゃないかえ~! 台湾に長らく留学していたらしく、どうやら台湾で学生のパワーやら民主主義社会とはなんぞやを体感してきたらしい。そんなことだから、当然、この前の台湾の「学生vs馬英九総統」のすったもんだにも大きな影響を受けたのは当然で、今回の行動に出たようだ。
それにしても偉いもんだね、よその国の学生さんや若い人は…。ただ、いいのか悪いのかは、なんとも言えないな。それぞれの国には、「当面の」統治のための「とりあえずはこれがいい」という事情があるからねぇ。そこを大きく外すと、本人のみならず、人民にもとんでもないしっぺ返しが来るからね…。
まあ、せいぜいおきばりやす!
崔世安行政長官は本当に「ものわかりのイイ」人物か?
さらに『蘋果日報』は伝える。
《【撤回離補】崔世安:不會私心自肥》=「離補法撤回」崔世安行政長官曰く「身は肥れども、心までは肥りませんよ!」
崔世安行政長官は今朝、「離補」法案の審議撤回を宣言した。政府に寄せられた市民の意見などを検討した結果。
澳門廣播電視(マカオ放送局)の伝えるところでは、崔長官は同局の取材に対し、「アタシはこんなにおデブでやんすが、心までおデブになっちゃおうなんて、これっぽっちも思ってやしやせんぜ」と答え、「高官保障のための何らかのプール金があるのなら、そいつはことごとく慈善事業に回しますよ」と語った。
また崔長官は「行政長官ってのはね、中央に対して責任ってもんがあるでやんす。『離補』に謳う<行政長官在任中の刑事責任免責>ってのはねぇ、アタシはやっぱしねぇ、行政長官の違法行為ってのは徹底的に追及されにゃならないと思うでやんす」さらに、「制度ってのはねぇ、住民がいつでも広く討論できるようにしておかなきゃいけねぇと思うんでやんすよ、アタシはね」と、個人的見解を述べた。
あ、多分、「売春宿の若旦那」風情を漂わせる長官だから、こんな具合にしゃべってんじゃないかと思うんでやんす(笑)。いや、知りませんよ、実家が売春宿かどうかは…。見た雰囲気が、だけの話ですからね(笑)。
なんかこの「モノわかりのよさ」が薄気味悪いんだな…。マカオの人たちもこれを聞いて「ああ、長官はイイ人じゃないか!」なんて感激したりはしないと思うけどね。
そう言えば、8月にマカオでは、行政長官選挙があるらしいから、ここは「モノわかりのイイ人民の味方」を装っておくに越したことはないという判断だろうな、崔さんも。そういう顛末かな、今回は。
お騒がせな香港民主派諸君の出る幕がなかっただけでも、よかったよかった。
以下、無用のことながら。
前回、<7000人の市民が自製の「水晶灯」なる懐中電灯(?)を持って、立法会議場を包囲>ってお伝えした「水晶灯」の正体がわかりました!!
このように、水のペットボトルに、スマホの「懐中電灯」アプリかなんぞの光を当てて、輝かせるって手法。これなら、たとえば香港の集会で蝋燭を揺らすよりも安全。蝋燭はやけどするのよね…。これ、試してみたら結構きれいでやんした(笑)。←試すアホ、ここに一人あり(笑)。
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
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