【上方芸能な日々 落語】吉坊ノ会<1.Nov.2011>*旧ブログ

落語
吉坊ノ会 <1.Nov.2011>

11月1日、落語漬けの日の夜の部は、昼と同じく繁昌亭にて「吉坊ノ会」。

1979573夜の繁昌亭はとってもきれい

桂吉坊の独演会のようなものです。いや、まあ、独演会か、言うてみれば。

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昼席とは打って変わって、満員御礼の繁昌亭。やっぱり興行物は器が満員になると、お客の方もノッてくるから、心地よいですね。
客層も、落語好き、落語をしっかり楽しみたいという風情の方たちですから、余計に雰囲気がよろしい。

1979564<ネタ帳>
林家愛染 「子ほめ」
桂吉坊 「地獄八景亡者戯」
中入り
内海英華 「女道楽」
吉坊 *お楽しみ

開口一番に登場の愛染(あいそめ)。染丸師匠の13番目の弟子。

師匠染丸が軽い脳梗塞で入院加療中ということですが、病院ではいたって元気で「よ~、しゃべってました!」と報告あって、一安心。紫綬褒章受章の吉報と重なったのが、噺家らしいと言えばそうだけど、上方落語界の重鎮の一人であり、まだまだ若いので、身体には気をつけていただきといと思います。

で、愛染君は、いっぺんどんな子か見たいなあと思っていたので、ようやく念願叶いました。笑顔がキュートで口跡もハキハキしててなかなか好青年ですな。やや訛りが気になるけど…。ま、しっかりお気張りやす!
今回の吉坊ノ会の目玉は、

あの大ネタを
吉坊がどう演じるか?
興味はつきない
この秋の吉坊ノ会!

というわけで、「地獄八景~」にチャレンジ!でありまする。

15日には東京でも開催されるので、あえてここでは劇評めいたものは避けますが、「大師匠(米朝)には、50分をめどに―もっとも米朝自身は50分で終われたことはないらしいw」と言われていたものを、気がつけば「1時間20分」の大熱演!その間、ダレ場は一切なし、ひたすら客席を笑わせ続けたのには、心の底から拍手喝采!

「地獄~」ならでは、演者が厳選した(笑)時事ネタも随所に散りばめられ、特に、アタシが拙ブログで「何某の市長」と称しているお方に関するくだりは、場内より万雷の拍手!いや~、愉快!愉快!

「ひゃー、おもろい地獄やったなあ」と中入りで一息の後にご登場は、いつも美しい英華のおねーさん。色っぽい都々逸などで、これまた客席をその世界に引き込みます。目から火の出る世帯はしても火事さえ出さなきゃ水入らず」。おなじみの都々逸ですが、なんて素敵なんでしょう…。
「吉坊さん、さっきは紋付き袴のいで立ちで、私は着物で…。なんか七五三の親子みたい…」と言いますが、いやいや、アタシは、英華ねーさんに首ったけでございます、いつも

それにしても、都々逸って深いねぇ…。好きやわ~、ああいう、エロスをちらっと見せる言葉遊び。

そして「お楽しみ」となっている、吉坊のもう一席。師匠・吉朝の出囃子「外記猿」で登場。

こちらも15日に東京でも会があるので、伏せておきますが、彼、こういうのんホンマ好きやねんよな~。イキイキしてるし。いつも言いますが、やる方が楽しめば楽しむほど、見る方も楽しめます。ハメモノ(お囃子、効果音など)ふんだんに入った愉快な一席。「ブログに書く人は一言、『やかましかった』としといてください(笑)」と言ってましたが、それがええのよ~。
こうして、充実の会、おひらきとなりました。
*演題は「浮かれの屑より」

「吉坊ノ会」、毎回とはいかないものの、ここ数年は大方来ています。その都度、スケールが大きくなってゆく姿に感じ入ります。

このキャリア(芸歴14年)で、出囃子とともに「待ってました!」と声がかかる噺家、現在では非常に珍しいというか、吉坊君くらいじゃないでしょうかね?
今後にますます期待!
大きくなってね!(背ぇは無理やと思うけどw)

(平成23年11月1日 天満天神繁昌亭)


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