【上方芸能な日々 落語】月亭八天の3つのバラエティボックス*旧ブログ

落語
BUNTO PROJECT 月亭文都構想!!
月亭八天の「3つのバラエティボックス」
~八天VSよしもと美女軍団~ <3つめの箱>

月亭文都襲名を来年3月に控えた月亭八天師。

襲名へのカウントダウン事業の一つ、「月亭八天の3つのバラエティボックス <3つめの箱>」が10月4日、国立文楽劇場小ホールで開催されました。

<ネタ帳>
「八天噺」 月亭八天
『京の茶漬』 桂文三
『夏祭浪花鑑』 八天
仲入り
「コスプレ漫談」 桜 稲垣早希
『天災』 八天

599521_354682991279011_1399789676_n会場はきれいに満員御礼状態。

コアな八天マニアや各会場おなじみの落語ファンに加え、「稲垣早希が出るなら、ちょっと出かけてみようかな」風の観客まで、色々とご来場の様子。

開口一番にあたる八天師のよもやま話では、襲名へのスケジュールや、襲名披露公演はこんな感じかな~みたいな話まで、今後の展開をざっくりと。なかなか楽しみ。いずれにしろ、113年ぶりの月亭文都襲名とあって、なかなか大変な様子。話にもあったけど、くれぐれも御身お大事に。

さて、まず登場したのは文三。この名前と文都は切っても切れない間柄。これを言いだすと長くなるのだけど…。まあ、月亭文都で検索したら、色々とエピソードに行き当たりますから、ご興味あらば、お調べ下され。

で、文三師の「京の茶漬け」。亡き師匠先代文枝の十八番の一つでもありました。子供のころから何度かなんば花月で聴いてましたので、なんとも懐かしい気分。その師匠の雰囲気をどこかに漂わせつつ、文三の味も存分に醸し出し、いい感じで聴けました。

八天師はこの日も2題を口演。

会場の文楽劇場にふさわしく、まずは『夏祭~』。後半の立ち回り部分、着物もはだけ、汗びっしょりの大熱演で客席を引き込みます。いつも思うけど、ああいうのは、本当に芝居が好き、文楽や歌舞伎をよく見ているという人ならではですね。まあ、そうでない人はこの手のネタはやらないでしょうけど。事ほど左様に、文楽というのは、その芸だけを継承することが財産ではなくって、その周辺の芸能に大きな影響を及ぼしておるのであって、文楽がもし、危機に陥るとなれば、その周辺の芸能にも大きな翳を落とすことになるのです。文楽とは、そういう存在なのです。

そして『天災』。こちらは肩に力が入ってなかったようで、ご本人も楽しそうにやってはりました。まあ、基本的にそういうネタですよ、これは。そうでなければならい。本人が楽しければ客も楽しい。簡単な原理なんですが、そこがなかなか難しい。出来てない人も案外多いんですよね…。

お話は、がらっぱち具合と紅羅坊名丸先生の落ち着き具合の対照を楽しめます。色んな人がやるネタですが、小生は亡き吉朝師匠のが好きですねん。

「よしもと美女軍団」からの第3の刺客(笑)は、毎週木曜深夜、MBS毎日放送でサイコロ転がして、各地を転々と旅する桜 稲垣早希。細いわぁ。彼女、結構酷使されてますよね?<って言っても近畿圏の人しかわからんのかな?

ま、お笑いでお客を転がす…には、「シンクロ率」かなり低い芸風でしたが(苦笑)。―シンクロ率については、わかる人にはわかるネタ。

ごくごくまれに、とんでもない大げさなリアクションで、なんとか彼女を盛り上げようとするお客もいて、実は、その人のリアクションを観察する方が楽しかったり…。要するに、彼女は舞台芸人ではなく、テレビタレントなんだなぁと、改めて認識。

八天さんも、襲名まで高座はもちろんのこと、それ以外の部分でも多忙を極めると思いますが、重ねて御身お大事に、その日をお迎えください!

(平成24年10月4日 日本橋国立文楽劇場小ホール)


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