【訃報】さよなら、デデさん…。*旧ブログ

ラジオのパーソナリティ、デデさんこと川村龍一氏が亡くなった。
「ヤングおー!おー!」司会、川村龍一さん死去
2012.5.26 12:01
川村龍一氏(かわむら・りゅういち=ラジオパーソナリティー、大阪芸術大学短大部メディア・芸術学科長)25日、死去、69歳。関係者によると、大阪市北区の事務所で倒れているのが発見され、死亡が確認された。……


もちろん一方的ではあるけど、非常に長い付き合いだった。
川村ひさしだったころ、テレビの人気番組『ヤングおー!おー!』の司会として、MBSの千里丘・ミリカホール、番組オープニング時にステージから客席に降りて、番組観覧者に「ハッピー?」と声をかけながら「じゃぁ、今日も元気に、ヤングおー!おー!」と声を上げてましたね。
それまでの大阪発の番組の司会者にない、からっとした司会っぷりに、子供心を動かされました。

高校生のころ、もちろんまだインターネットもなく、まるでプロレスの「まだ見ぬ強豪」に思いをはせるような時代に、数少ない洋楽情報を届けてくれたのもデデさんでしたね。
近畿放送(現・KBS京都)の『POPS IN PICTURE』(通称・PIP)では、当時、物珍しかった「ビデオクリップ」で海外の色んなミュージシャンの動向を伝えてくれましたね。
全国的には小林克也が先駆者のように言われてるけど、関西の僕らにとっては、デデさんこそこの分野の先駆者でした。関西のこの流れは、その後、ジーン長尾、マーキー谷口(現・マーキー)へとつながってゆきましたね。

そして忘れもしないMBSラジオ朝の番組『おはよう川村龍一です』。従来の大阪のAMラジオのパーソナリティは、良くも悪くも「ベタ」なおしゃべりでしたが、デデさんは心地よい朝を提供してくれました。
OP曲がビートルズの『From Me To You』ってのがとてもおしゃれでした。朝のAMにFMの風を吹かせてくれましたね。
大学生時代に始まったこの番組、ある時は目覚まし代わりに、あるときは朝帰りの車中のBGM代わりに、社会人になってからはゴルフ場までのお供に…。いつも『From Me To You』が流れていましたよ。

何と言っても、阪神大震災の朝を忘れられません。
自宅にトラックが突っ込んだかと勘違いするような未経験の大きな衝撃と、地震とわかったときの得も言えぬ「絶望感」。そう、その絶望感は「大阪でこんなに揺れた(自宅近辺で震度5と記憶)からには、首都は壊滅状態に違いない」という、浅はかな考え…。近畿に住む多くの人間がまさか近畿が震源で大惨事が起きようとは、誰が思っていただろうか…。
そんな中、デデさんは芦屋だったか東灘だったかの自宅からMBSへ向かう車の中から自動車電話で、その被害の状況を実に冷静に教えてくれましたね。
我が家では電話がつながらず、ガスも水も止まり、電気は切れなかったけどテレビの報道は何か要領をえておらず…。
「一体、どこでどんなことになっているのか?」と、家族みんなで不安に思っているまさにそのとき、デデさんの「阪神高速が落ちました」の言葉。まったく画が浮かびませんでしたが、「神戸方面が大変なことになっているようだ」というのを、テレビより早く知らせてくれたのは、デデさんでしたね。数時間後、ようやくテレビでその状況を見て、その惨状を落ち着いて報じてくれたデデさんにメディア人の矜持を感じたものでした。

ボクのiTunesの曲分類、いまでも洋楽は『POPS IN PICTURE』にあやかって「PIP」ですよ、デデさん。
またいつの日か、See You!


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