【唱衰香港】マーチン・リー、吊るし上げに遭う-その2*旧ブログ

もう、風邪引いてヘロヘロです。熱はありませんが、鼻詰まりがひどくてほとんど鼻呼吸できません。

さて、文革さながらの吊るし上げに遭っている民主党元党首の李柱銘(マーチン・リー)立法会議員は、今日はラジオに出演し、『ウォール・ストリート・ジャーナル』に寄稿した文章に関して、親中派を中心に批判が高まっているが、決して謝罪しないことを表明。

李氏は、「現在、ある大きな勢力(親中派)が圧力を加えて、過ちを認めるように強要しているが、寄稿した文章では、外国の北京五輪ボイコットの動きに反対すると言っているのに、意に反して曲解され、売国奴などと罵られている。とても恐ろしい事だ」。「香港人が祖国の人権問題の改善に努力することが、売国奴と言われるならば、自分は永遠に売国奴であってよい」など、番組の中で発言。

一方、民主派叩きと、民主派とつるむライバル紙『蘋果日報』叩きに躍起な『東方日報』は今日もまた、1面トップから李柱銘バッシングの大特集。

それによると、香港のスポーツ界挙げて、李氏を批判していると言います。香港スポーツ協会及五輪委員会の霍震霆(ティモシー・フォック)会長は「政治とスポーツを混ぜこぜにするな!」と怒り心頭。 数名のスポーツ選手のコメントも掲載し、批判の輪を広げようと必死。
また、香港親中派のドンで、ネクタイ会社「ゴールドリオン」の総帥でもある、全人代常務委員会の曾憲梓氏は、李柱銘氏を「売国奴、漢奸!」と激しく非難し、

「究極の基地ガイ!」

と罵っております。もうこの後の記事は差別用語全開。大体、香港のメディアはそういうの全く気にしない、ってか、漢字だから非常に直接的かつわかりやすい。

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こちらが親中派のドン・曾憲梓さん。イカニモな風体

「李柱銘はめクラ、オし、ツンぼだ! あいつには祖国の発展振りが見えてないのか? 中国の社会は現在絶えず改善されており、現時点での国家の最大の任務は、どのように13億人の生存と発展の問題を解決するかであり、人権問題もそこには含まれてんだよ! 経済も絶えず発展していて、これらの情況は全世界すべて誰の目にも明白なんだよ!」
だって。ホントかよ??

さて、受けて立つ(?)『蘋果日報』は一連の吊るし上げは、
「事実の歪曲」による民主派への攻撃
というスタンス。

民主派政党・前線の劉慧卿(エミリー・ラウ)党首は「大陸の人権問題を覆い隠して、李柱銘を攻撃するべきでない」と厳しい口調で李氏への攻撃を非難。過激民主派議員・長毛こと梁国雄も、「国家の人権状況の批判は売国行為ではない」とし、「李柱銘を罵倒する連中の目的は選挙」だと指摘。「民主派にダメージを与えようと企む文革式の批判闘争活動はを許されない」と批判。
結局のところ、

①李氏のこうした「唱衰香港」活動は、今に始まったことでなく、今さらワーワー騒いでも、この人は聞く耳持ちませぬ。てなわけで、目前に迫った区議会選挙、さらには「民主派=陳方安生(アンソン・チャン)元政務長官」vs「非民主派・親中派=葉劉淑儀(レジーナ・イップ)元保安局長」の一騎打ちとなる立法会補選へ向けての、親中派による民主派イメージダウン作戦であるのは、長毛の指摘どおり、ほぼ明らか。

②確かに、『ウォール・ストリート・ジャーナル』への李氏の寄稿文には、「五輪ボイコットせよ」などの文言はなく、全面的に支持したいと。ことさらに「ボイコット」ということをあげつらうあたり、親中派および中共側は「ボイコット」を相当危惧している模様

③『東方日報』vs『蘋果日報』の争い。民主活動に加担する『蘋果日報』創始者のジミー・ライ氏の存在が気に入らない『東方日報』が李氏を「売国奴」と叩くことで、李氏とつるんでいるジミー・ライも同様に「売国奴」であるとバッシングして、「あんな売国新聞、読んじゃダメですよ!」と宣伝している

てなところでしょうか。そういうわけで、まさに「どがちゃが」な様相ではありますが、みんなでよってたかって「あーだ、こーだ」と、たとえ罵倒であっても言い合える香港。中共政権下にあって、唯一、そういうことができる香港。その点では、こんなシアワセな「ちゅうごく」はどこをさがしてもないでしょう、恐らく。
まあ、せいぜい派手にやってくれ。
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COMMENT:
AUTHOR: ひかり
DATE: 10/28/2007 02:37:12
成る程、かなり興味深く読みました。実際中国共産党支配下の中では、或る意味ミャンマーやカンボジアよりも中国政権批判が出来る「特区」なんですねぇ。
lesさんのブログタイトルの通り、「どがちゃか」な状況ですね(笑)
これは香港の現地じゃなくちゃ分からない状況ですんで面白いです。
風邪が流行ってますねぇ(日本では)お大事に!
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 10/28/2007 23:51:30
To ひかりさん
>成る程、かなり興味深く読みました。実際中国共産党支配下の中では、或る意味ミャンマーやカンボジアよりも中国政権批判が出来る「特区」なんですねぇ。
そりゃ、大陸からしたら、こんなお気楽な所はないですよ。
ただ、「天下国家」を憂うと、このようにたちまち「売国奴」よばわりですからね…
>風邪が流行ってますねぇ(日本では)お大事に!
ありがとございます。
今日は、鼻水が滝のように流れ落ち、咳も出てきました…。熱はありません。明日、会社休みたい! でも、落ち着いてそうな気がする(涙、、、


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