六四、中華圏では6月4日の事件を指します。すなわち、1989年6月4日の「天安門事件」。
香港では当時、天安門の活動家を支持する声が上がり、数十万人規模のデモや支援集会が行われました。そして、事件を受けて左派も右派も関係なく支援の声は抗議の声に変わり、その活動は現在も継続されています。
大雨の中デモ行進する「香港市民支援愛国民主運動連合会=支連会」のメンバーら(蘋果日報)
黄色大雨警報や雷警報が発令される悪天候となった5月27日(日)。午後3時に香港島ビクトリアパークから主催者発表で1500人(警察発表で千人)が、中環(Central)の政府庁舎までずぶ濡れになりながらデモ行進。
すでにメディアの多くはトップでこのデモを扱わなくなって10年ほどになります。参加者数も減少の一途をたどっており、ここ数年は1000人程度にとどまっています。
天安門事件から18年。確実に市民の記憶は風化しているわけですが、同時に、争点が多岐に渡り、本来の目的である「天安門事件への抗議」やそれを出発点とする「中国民主化支援」が置き去りにされているのも、デモの低調化に拍車をかけています。
また、返還により民主は大きく後退すると思われていたのに、前進もない代わりに後退も無いことで、まずは一安心という空気。
そしてここ数年の傾向として、天安門云々よりも「全面普通選挙制度導入」に民主派が力を注いでいることも、六四低調の理由と言えるでしょう。
今年は「六四」を前にして、親中派政党「民建連」の馬力党首が「天安門事件で虐殺行為はなかった」旨の発言があり、大反発を食らったにもかかわらず、いくら悪天候だからといえ、1000人ほどしか参加がなかったというのが、六四の風化を物語っています。
振り返って97年。
【6月1日】
支連会の抗議デモに主催者発表で7000人(警察発表3500人)参加
6月4日の前の日曜日にデモが行われます。この日、わたしもデモを最初から最後まで観察していました。海外からの取材陣の数も半端ではなく、まさに「最 後の六四デモ」という雰囲気。多くの市民は「これが最後」と疑わず、海外メディアはその悲壮感を伝えようとする。中共も政庁も返還後の議会もだれひとり 「最後」だと言っていないにもかかわらず、「最後」と言うムードがあふれていたのは、今から考えれば不思議であるし、滑稽でもあるし。ただ、当時は何かに つけて「最後」という気持ちが先立ったのは、それはそれで仕方の無いことだったのでしょう。
圧巻は、当時のデモの終着点であったハッピーバレー競馬場前の新華社香港支社の前の大通り「皇后大道東」をデモ参加者が埋め尽くし、抗議のシュプレヒコールを叫んでいた場面。当時の香港における中共政府の実質上の出先機関である新華社の前で、こういう抗議が堂々とできる、そんな自由は本当にこれが「最後」なのか…。たしかにそのときは、そんな悲壮感をズシーンと感じたものです。
そして10年後の今日この時。
1000人のデモ隊の半数以上は「法輪功」メンバー。この数年でデモは「これは法輪功のデモか?」と思うほど様変わりしてしまいました。実際、支連会と法輪功の間で揉め事もあったようです。
ひとつ付け加えると、民主活動を行う支連会ですが、メンバーの大半は反日人士であるということ。要するに「六四デモ」も「反日デモ」も同じメンツということです。だから小生は、香港の民主活動を支持することはできません。
ホント、複雑なんです、ここは…。
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COMMENT:
AUTHOR: ひかり
DATE: 05/30/2007 11:03:52
おはようございます。
香港、ここまで複雑とは思ってもみませんでした。
天安門事件のデモも、もっと盛大に行われているのかと思っていました。
民主化グループが反日グループでもあるという矛盾が香港の歴史や現状を深く考えさせられます。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 05/30/2007 13:35:00
To ひかりさん
コメントありがとうございます。
歴史に矛盾は良くあることとですが、香港はそれが顕著なので面白いのです。
ただ、返還後の香港はきわめて順調に「一国二制度」は機能していると思います。マクロの視点で見れば、ですが。
ミクロの部分は、折に触れてここで紹介してゆきたいと思いますので、お付き合いの程願います。
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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 05/30/2007 21:51:16
>要するに「六四デモ」も「反日デモ」も同じメンツということです。だから小生は、香港の民主活動を支持することはできません。
香港だけではなく、世界中の華僑がそのようです。故に、共産党が下野して民主化すればよい、とい楽観論は危険です。
もし、万が一シナが民主化して、米国の支持もうけ、米中同盟が出現するような場合は、日本の最大の危機となるでしょう。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 05/31/2007 00:01:46
To マルコおいちゃんさん
こんばんは!
>香港だけではなく、世界中の華僑がそのようです。故に、共産党が下野して民主化すればよい、とい楽観論は危険です。
>もし、万が一シナが民主化して、米国の支持もうけ、米中同盟が出現するような場合は、日本の最大の危機となるでしょう。
おっしゃるとおりです。
民主化されて言論統制の箍が外れたら…
決して日本に都合のよい方には転ばないでしょう。
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
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