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かつては香港の民主派政治団体最大の組織を誇った民主党が、解散を計画していると複数のメディアが報じた。きら星のごとく、民主派のスター政治家がずらりと揃った時期もあった民主党だが、雨傘行動以降の凋落と迷走に歯止めがかからず、21年に発動された「国安法」の前に主要メンバーが次々と収監される事態を前にして、最早、なすすべはなく、解散の道を選択することとなるようだ。
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香港の複数のメディアは2月18日、“関係筋” の話として、昨年創立30周年を迎えた民主党が解散を計画していると報じ、同党中央委員会が早ければ今週中にも会合を開き、解散の是非を含めた今後の方向性を議論する予定だと報じた。翌19日、民主党は新年度の財政予算案に対する意見提出の記者会見を開いた。この会見で、同党主席の羅健熙(ロー・キンヘイ)は「党の今後の方向性を議論するため、20日に中央委員会を開催することを確認した」と述べた。民主党の今後の方向性について「確かにここ数日議論があり、中央委員会でも関連議論が行われるだろう」としたが、現時点では報道陣に説明できる新しい情報はないことも認めた。さらに「民主党として何らかの決定を下す場合は、必ず党規約に従って行動する」と述べた。
「圧力」の有無、回答を避けるも…
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民主党の中央委員会は、昨年12月に開催され、羅健熙の主席三選目を決定したばかりだ。記者の質問は「なぜこんな短期間で中央委員会を開催し、解散を議論することに至ったのか」に集中した。
「『圧力』がかかったのか」「解散を求めるメッセージを送った『仲介者』がいたのか」。同氏は、「政治環境や政党の存続など、ここ数年にわたり関連した議論が続いている」として、具体的な回答は避けた。「こうした問題について議論することは避けられないが、現段階で詳細を明らかにするのはちょっとねぇ…」。いやはや、正直な人だ(笑)。こんな回答したら、「圧力」がかかった、「仲介者」を通してメッセージを受け取った、と白状したようなもんじゃないか(笑)。つまりは、そういうことだ。
同氏は、報道陣からの質問と同様の疑問を市民も抱いていることを理解しているが、「現時点ではあまり多くを語ることはできない」と、重ねて強調した。
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解散への「圧力」を何度も聞かれたが、羅健熙は「党は以前と変わらず、非常に懸命に活動しており、香港のために頑張ってる」と繰り返し述べた。と言いながらも、陳茂波(ポール・チャン)財政長官に予算案に関する意見を提出する旨の書簡を送ったことも認めた。13日時点では、財政長官辨公室から20日に会議を設定すると返答があったが、15日に「緊急会議のため」として、突然会議がキャンセルされたと述べた。このあたりで、「圧力」をかけてきた筋、「仲介者」を通じてメッセージを送ってきた筋から、香港政府に対しても何らかの働きかけがあったのかもね。知らんけど…。
強まる逆風 祝賀行事への妨害、中央委員会メンバーに嫌がらせ、
元議員は懲役刑に
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昨年11月の結党30周年祝賀パーティーでは、直前に予約が2度にわたってキャンセルされた。レストラン側は「シェフ同士の喧嘩」が理由とした。なんかもうねぇ、あからさまなんよね。子供じゃあるまいし「シェフ同士の喧嘩」ってなんやねんってねぇ(笑)。結局、当日に別のレストランに予約を入れ、なんとかテーブル4つを用意する羽目になった。
また、年次総会と中央委員会選挙を前にして、民主党元主席の劉慧卿(エミリー・ラウ)のネットラジオに羅健熙が出演した際、当時の民主党中央委員会メンバー数名とその家族、また彼らが勤務していた企業がEメールや携帯のショートメッセージで嫌がらせを受けており、メンバーらが「反中乱港」と非難されていたことを明らかにした。
出演当時、羅健熙は民主党は香港のために声を上げ続けると述べ、「我々は正しいことをしており、正しい道を歩んでいる」と語った。同月30日、高等法院は、2020年9月に予定されていた立法会選挙に向けて民主派が非公式の「予備選」を実施したことに関連し、民主活動家らが国安法違反に問われた裁判で、14人に有罪を言い渡し、2人を無罪とした。元民主党議員では胡志偉(ウー・チーワイ)、尹兆堅(アンドリュー・ワン)、黃碧雲(ヘレナ・ウォン)、林卓廷(ラム・チュクテン)に懲役53~81か月の判決が下された。羅健熙自身は2019年の理工大学での違法集会事件で無罪となったが、律政司(法務長官)が控訴した。双方陳述の後、裁判官は判決を延期した。
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昨年12月1日、民主党は年次総会と選挙を開催し、羅健熙は引き続き党主席に再選され、副主席は1人に減り、莫建成(モク・キンシン)が任命された。中央委員会は他に吳永輝(スタンレー・ン)、莊榮輝(ウィンフィールド・チョン)、朱子洛(チュ・チーロック)ら9人で構成される。当時、羅健熙は、一部の党員が家庭や個人的な理由で中央委員としての職務を続けられなくなったことを認めた。また、政治空間がますます狭まっていることに同意はするが、民主党は「香港のためになる意見を述べるため、引き続き最善を尽くす」と述べていた。
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クソまじめで、一途で、どこまでも戦闘的で…。良くも悪くも、民主党はそういう政党だった。羅クンはクソまじめで、一途な画に描いたような民主党員だ。でもこの「くたびれ果てた20年後の周東佑京」という風情の優男に、国安法以降の民主党を背負わせるのは、いささか気の毒だし無茶な話ではないかと…。要は人材の枯渇である。李柱銘(マーティン・リー)、司徒華(セット・ワー)、楊森(ヨン・サム)、何俊仁(アルバート・ホー)、劉慧卿(エミリー・ラウ)ら、叩き上げの民主派人士とは全く違う民主党の顔である。そんな優男が、静かに民主党の幕を引こうとしている…。
行ったこともない返還前の香港を、さも行ったことあるようなツラして、今の香港を危惧して「昔の香港はよかった」なんて、いっちょ前に語りたい人は、ぜひお手元に! |
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。