【こうせつと歌おう!】the 30th GREEN PARADISE

こうせつと歌おう!
the 30th GREEN PARADISE

この時期、恒例のGREEN PARADISEが、なんと3年ぶり!に開催された。3年ぶりとなった事情は、大方はお察しの通りであるが、2019年に関しては実は東京五輪の関係で、日比谷野音がこの時期に使用できなくなり、秋に開催されることになったのだが、ここがフォーク界随一の「雨男」、南こうせつの本領発揮で、台風直撃の予報で中止に…。そしてCOVID-19の感染拡大である。こうせつに限らず、この疫禍は色んな公演を中止や延期にしてしまい、ステージの風景を大きく変えてしまったなぁと…。誰に文句を言える話でもないしね…。

さて、このライブ、小生にとっては5年ぶりの野音参戦である。前回は2017年のこと。そしてグリパラは今回が30回目という記念すべき年。何か特別なことあるかな~って期待していたが、従来よりも開始時間が1時間半ほど遅くなって午後5時開演。いつもシークレットだの飛び入りだのゲスト目白押しで、「おい!こうせつはいつ歌うんだ!」的状況だったが、まさか今回もそんなことにはならんよね…、などと期待と不安が入り混じる。馬鹿だねぇ~、こうせつに任せるしかないのに(笑)。

オープニング曲は何だろう…。これは衝撃的だった。まず、これが1曲目に来た衝撃。そしてアレンジ。かつては、会場の空気が最高潮に達した時にこの曲が来て、みんなウルウルしながら、♪ラララ~、ラララ~、ララララ~って大合唱したもんだよ。うーーーーん、時代は変わった、時は流れて風が吹くわけだけど(笑)、どうしたもんでしょうと慌ててしまった自分がかわいらしい(笑)。と、色々と御託を並べてるけど、この歌、歌ってくれたことが何よりうれしいのだ。これだけで来た甲斐があった!と言っていいほどなんだが、なんせ、ひねくれ野郎なんで…(笑)。

ゲストは2人。杉田二郎森山良子。相変わらず大看板が登場する。ここら辺からなんだかウクライナ情勢へと空気が変わる。そういえば、ステージ背後のフラッグもウクライナ国旗をモチーフにしているし、ステージ前の花もそれらしい配色。もうねえ、ほんと、あっちもこっちもウクライナ、ウクライナで、うんざりしてます。「金くれ、武器くれ、難民養え」…。こんなん言うと「ロシアの味方か!」って怒られるが、正直、どっちでもええの。勝手にやってなはれってところ。

まあまあ、それはさておき。

考えてみればお三方とも70歳代半ばの、世間的に言えば「おじいさん、おばあさん」である。アンチエイジングのサプリのCMに出てる人たちと同じようなもんだわな。でも全然違う。声もよく出てる。そしてボケてない(笑)。こういうおじいさん、おばあさんになれればと思うけど…。難しいね、そいつは(笑)。

こうせつと杉田二郎の「旅」の話が印象深い。そう、昔は楽器携えて夜汽車で移動ってのが、「コンサートツアー」だった。書棚に並ぶ『風をたずさえて』っていう本。のツアーの写真が豊富で貴重。駅で女子高生に囲まれたり…。だから旅の歌や夜汽車の歌も昔は多かった。そういう歌を聞いて旅への憧れを抱いた10代の頃…。今や飛行機でスイスイですわな。成田で搭乗前に始まった注目のマリーンズ(佐々木朗希)vsホークス(千賀滉大)の試合、大阪の家に帰ってもまだやってる(笑)、そんな時代。旅心を刺激する歌、もう生まれないね、これでは…。

飛行機と言えば、小生自身は200年2月に香港便が大減便になる直前に、永久居民身分証の更新のために、1泊3日の弾丸で香港へ一時帰港して以来の利用。COVID-19の感染拡大もあったが、ちょっと福岡へ野球をとかそういうのも考えたけど、なんせ80過ぎた年寄と同居しているので、そこはかなり慎重になってしまった。ただ、もう今回は…。ねぇ、そういう気分になるよね、これだけ長いと…。

今回はこちらで大阪―東京往復。関空と成田ってのがなければ、とても使いよいのだけどね…(5月6日成田で筆者撮影)

さて、ライブ終盤は、夜の淋しさに乾杯して、星をキラキラさせて、20時ジャストに終了。もう一つ二つガツン!と来るものが欲しかったけど、こうして70過ぎてもギター鳴らして、野音という大きなステージで満員のファンを前に歌ってくれるこうせつを、やっぱりこれからも追いかけて行くんだな、小生はと改めて確認できた夜。40年以上、こうせつファンなんだから、もう引き返せないよな(笑)。

そう、引き返せるわけがない!これからも、こうせつ!

(令和4年5月5日 日比谷野外音楽堂)


夜明けの風』南こうせつ

約2年半ぶりのオリジナル・アルバム発売!南こうせつがコロナ禍を経て放つメッセージ「夜明けの風」、過去に自身のアルバム候補曲として温められていた「がんばってみようか」、自宅書庫から三十数年を経て発見された「プライベートソングII」(作詞:岡本おさみ)、五木ひろしに書き下ろした「ぽつんとひとりきり」をセルフカバー、若かりし自身を重ねるようなミュージシャンを語る「歌うたいのブルース」を収録。


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