無事かどうかはさておき(笑)、一応、「12月28日までには済ませておくべし！」と誓った業務を終え、いつもより少し早めに帰宅できた、「平成最後の」仕事納めの一日だった。

さ、そこで、この1年間の映画鑑賞の総括をしておこう。

今年は、3月の「大阪アジアン映画祭」で気合を入れ過ぎたため、以降がまったくの尻すぼみとなってしまい、4月以降はほとんど映画を観ていないという始末。話題の『カメラを止めるな！』も『ボヘミアン・ラプソディ』も、12月28日時点では観ていない。多分、年内には観ることは叶わないだろうな。ま、来年、チャンスがあれば、ってところだ。

1.『デトロイト』(英『DETROIT』)
2017年　米国　言語：英語
監督：キャスリン・ビグロー
出演：ジョン・ボエイガ、ウィル・ポールター、ジャック・レイナー、アルジー・スミス、ジェイコブ・ラティノア　他
評価　★★☆

2.『目撃者 闇の中の瞳』(台『目撃者』/英『Who Killed Cock Robin』)
2017年　台湾　言語：標準中国語、台湾語
監督：程偉豪(チェン・ウェイハオ)
出演：莊凱勛(カイザー・チュアン)、許瑋甯(シュー・ウェイニン)、柯佳嬿(アリス・クー)、李銘順(クリストファー・リー)、李淳(メイソン・リー)　他
評価　★★★

3.『悟空伝』(繁『悟空傳』簡『悟空传』/英『Wu Kong』
2017年　中国　言語：標準中国語
監督：郭子健(デレク・クォック)　音楽：泰迪羅賓(テディ・ロビン)
出演：彭于晏(エディ・ポン)、余文樂(ショーン・ユー)、倪妮(ニー・ニー)、歐豪(オウ・ハオ)、鄭爽(ジェン・シュアン)、喬杉(シャン・チャオ)、俞飛鴻(フェイ・ユー)　他
評価　★★★☆

4.『長江 愛の詩』(繁『長江圖』簡『长江图』/英『Crosscurrent』)
2016年　中国　言語：標準中国語
監督・脚本：楊超(ヤン・チャオ)
音楽：安巍(アン・ウェイ)撮影：李屏賓(リー・ピンビン)
出演：秦昊(チン・ハオ)、辛芷蕾(シン・ジーレイ)、譚凱(タン・カイ)、鄔立朋(ウー・リーポン)、江化霖(チャン・ホワリン)、王宏偉(ワン・ホンウェイ)　他
評価　★☆

5.『無言の激昂』(繁『暴裂無聲』簡『暴裂无声』/英『Wrath of Silence』)
2017年　中国　言語：標準中国語
監督：忻鈺坤(シン・ユークン)
出演：宋洋(ソン・ヤン)、姜武(チャン・ウー)、袁文康(ユエン・ウェンカン)、譚卓(タン・ジョオ)、王梓塵(ワン・ツィーチェン)　他
評価　★★★☆

6.『追跡』(中『追･踪』/英『ASH』)
2017年　中国　言語：標準中国語
監督：李霄峰(リー・シャオフォン)
出演：羅晋(ルオ・チン)、聶遠(ニエ・ユエン)、黄覚(ジュエ・ホワン)、姜珮瑶(ペイヤオ・ジャン)、辛鵬(シン・ポン)　他
評価　★★★☆

7.『男たちの挽歌2018』
(中『英雄本色2018』/英『A BETTER TOMORROW 2018』)
2018年　中国　言語：標準中国語
監督：丁晟(ディン・シェン)
出演：王凱(ワン・カイ)、馬天宇(マー・ティエンユー)、王大陸(ダレン・ワン)、林雪(ラム・シュー)、余皚磊(イー・カイレイ)、呉樾(ウー・ユエ)、李夢(リー・モン)、張藝上、中野裕太　他
評価　★★☆

8.『パープルな日々』(台『紫色紐約』/英『Purple Days』)
2017年
台湾・米国
言語：日本語
監督：曾駿堯(ケヴィン・CY・ツェン)
出演：斉川蘭子、清水周平
評価：★★★

9.『亮亮と噴子』(台『亮亮與噴子』/英『Babe’s Not Alone』)
2016年　台湾
言語：標準中国語
監督：李宜珊(リー・イーシャン)
出演：李雪(エンジェル・リー)、陳彥希(チェン・イェンシー)、劉引商(リウ・インシャン)、吳宏修(ウー・ホンシウ)
評価：★★★☆

10.『夜間勤務』(韓『야간근무』/英『Night Working』)
2017年　韓国
言語：韓国語
監督：김정은(キム・ジョンウン)
出演：キム・イェウン、ウォンニ・スレン
評価：★★★☆

11.『どこか霧の向こう』
(港『藍天白雲』/英『SOMEWHERE BEYOND THE MIST』)
2017年　香港　言語：広東語
監督、脚本および編集：張經緯(チョン・ギンワイ)
プロデューサー：爾冬陞(イー・トンシン)
芸術顧問：許鞍華(アン・ホイ)　音楽：五條秀美
出演：鄧麗欣(ステフィー・タン)、梁雍婷(レイチェル・リョン)、顧定軒(ジーノ・グー)、陳哲民(レスター・チャン)、李任燊(カイル・リー)、黄樹棠(ウォン・シートン)、寶珮如(ベイビー・ボー)、嚴乙恩(イアン・イム)、鄺芷凡(オミ・コン)　他
評価　★★★★

12.『血観音』
(台『血觀音』/英『The Bold, the Corrupt and the Beautiful』)
2017年　台湾　言語：標準中国語、台湾語、広東語、日本語
監督・脚本：楊雅喆(ヤン・ヤーチェ)
出演：惠英紅(カラ・ワイ)、吳可熙(ウー・クーシー)、文淇(ヴィッキー・チェン)、陳莎莉(サリー・チェン)、柯佳嬿(アリス・コー)、秀蘭瑪雅(ショウレン・マヤ)、王月(ムーン・ワン)、陳珮騏(キャロリン・チェン)、溫貞菱(ウェン・チェンリン)、傅子純(ジュン・フー)、應蔚民(イン・ウェイミン)、巫書維(ウー・シューウェイ)　他
評価　★★★

13.『どこでもない、ここしかない』(英『No Where, Now Here』)
2018年　日本、スロベニア、マケドニア、マレーシア
言語：日本語、トルコ語、スロベニア語
監督：林家威(リム・カーワイ)
出演：フェルディ・ルッビジ、ダン、アンニャ・キルミッスイ、アウグストゥス・クルー・スニック
評価　★★★

14.『私を月に連れてって』
(台『帶我去月球』/英『Take Me To the Moon』)
2017年　台湾　言語：標準中国語
監督：謝駿毅(シェ・チュンイー)
出演：劉以豪(ジャスパー・リュウ)、宋芸樺(ビビアン・ソン)、嚴正嵐(ヴェラ・イェン)、石知田(チーティェン・シー)、李銓(リー・チュアン)、姚愛寗(ヤオ・アイニン)　他
評価　★★★☆

15.『メイド・イン・ホンコン/香港製造』［デジタル・リマスター版］
(港『香港製造』(4K修復版) /英『MADE IN HONG KONG』 [Digitally Remastered Version])
1997年　香港　言語：広東語
監督：陳果(フルーツ・チャン)　プロデューサー：劉徳華(アンディ・ラウ)
出演：李璨琛(サム・リー)*出演当時は李燦森、嚴栩慈(ネイキー・イム)、李棟全(ウェンダース・リー)、譚嘉荃(エイミー・タム)他
評価　(旧作に付き、評価はせず)

16.『中英街一号』(港『中英街1號』/英『No. 1 Chung Ying Street』)
2018年　香港　言語：広東語
監督：趙崇基(デレク・チウ)
出演：游學修(ネオ・ヤウ)、盧鎮業(ロー・ジャンイップ＝小野)、廖子妤(フィッシュ・リウ)　他
評価　★★★★★

17.『大大ダイエット』
(簡『大大哒』繁『大大噠』/英『Think Big Big 』)
2018年　マレーシア　言語：標準中国語
監督：周青元(チウ・ケングアン)
出演：林宣妤(セレーヌ・リン)、吕杨(ファビアン・ルー)、温慧茵(ヴィヴィ・ウン)、狄妃(ルビー・ヤップ)、容璇雯(ムーン・ヨン・シュアンウェン)、刘锦绣(ジョアンヌ・ラウ)、甘可琪(ケイ・グレイ)　他
評価　★★★☆

18.『青春の名のもとに』(港『以青春的名義』/英『In Your Dreams』)
2017年　香港　言語：広東語
監督：譚惠貞(タム・ワイジェン)　プロデューサー：劉嘉玲(カリーナ・ラウ)
出演：劉嘉玲、吳肇軒(ン・シウヒン)、謝君豪(チェ・クワンホウ)、董瑋(トン・ワイ)、劉天蘭(ティナ・ラウ)　他
評価　★★☆

19.『空手道』(港『空手道』/英『The Empty Hands』)
2017年　香港　言語：広東語、日本語
監督：杜汶澤(チャップマン・トー)
プロデューサー：杜汶澤、鄧維弼(ウェイビー・タン)
プロダクション・デザイナー：張蚊＝張伊雯(チョン・イーマン)
出演：鄧麗欣(ステフィー・タン)、杜汶澤、倉田保昭、歐錦棠(スティーブン・アウ )、陳靜(ダダ・チャン)、柳俊江(ライアン・ラウ)、盧覓雪(ミシェール・ルー)　他
評価　★★★☆

20.『昨日からの少女』
(越『Cô gái đến từ hôm qua』/英『The Girl from Yesterday』)
2017年　ベトナム　言語：ベトナム語
監督：Phan Gia Nhật Linh(ファン・ザー・ニャット・リン)
出演：Ngô Kiến Huy(ゴー・キエン・フイ)、Miu Lê(ミウ・レ)、Hoàng Yến Chibi(ホアン・イエン・チビ)、Jun Phạm(ジュン・ファム)、Lê Hạ Anh(レ・ハー・アィン)　他
評価　★★★★

21.『牌九（パイゴウ）』(英『Pai Kau』/中『牌九』)
2018年　インドネシア　言語：インドネシア語、標準中国語
監督：Sidi Saleh(シディ・サレ)
出演：Anthony Xie(アントニー・シー)、Irina Chiu(イリーナ・チュウ)、Ineke Valentina(イケネ・バァレンティーナ)、Tjie Jan Tan(チー・ジャン・タン)、Verdi Solaiman(フェルディ・ソライマン)　他
評価　★☆

22.『川流の島』(台『川流之島』/英『The Island That All Flow By』)
2016年(テレビ放映)　台湾　言語：標準中国語、台湾語
監督：詹京霖(チャン・ジンリン)
出演：尹馨(イン・シン)、鄭人碩(チェン・レンシュオ)、陳鼎中(チェン・ディンジョン)　他
評価　★★★★★

23.『恋するシェフの最強レシピ』
(繁『喜歡·你』簡『喜欢·你』/英『This Is Not What I Expected』)
2017年　中国、香港　言語：標準中国語
監督：許宏宇(デレク・ホイ)　プロデューサー：陳可辛(ピーター・チャン)
出演：金城武、周冬雨(チョウ・ドンユィ)、孫藝洲(ソン・イーチョウ)、奚夢瑤(ミン・シー)、楊祐寧(トニー・ヤン)、張國柱(チャン・クオチュー)、高暁松(ガオ・シャンソン)、林志玲(リン・チーリン)
評価　★★★

24.『夏、19歳の肖像』(中『夏天十九岁的肖像』/英『EDGE OF INNOCENCE』)
2017年　中国　言語：標準中国語
監督：張榮吉(チャン・ロンジー)
原作：島田荘司「夏、19歳の肖像」（文春文庫刊）
出演：黄子韜(ファン・ズータオ)、楊采鈺(ヤン・ツァイユー)、李梦(リー・モン)、杜天皓(カルビン・トゥ)、張國柱(チャン・グオチュウ)、馮淬帆(スタンリー・フォン)、柯淑勤(コー・シュウチン)、朱芷瑩(チュウ・チーイン)
評価：★★★

25.『SPL 狼たちの処刑台』(港『殺破狼・貪狼』/英『Paradox』)
2017年　香港　言語：広東語、タイ語、英語
監督：葉偉信(ウィルソン・イップ)
アクション監督：洪金寶(サモ・ハン)
出演：古天樂(ルイス・クー)、林家棟(ラム・カートン)、吳樾(ウー・ユエ)、トニー・ジャー(ทัชชกร ยีรัมย์)、鄭雪兒(ミシェル・サラム)、蔡潔(ジャッキー・チョイ)、盧惠光(ケネス・ロー)、陳漢娜(ハンナ・チャン)、ヴィタヤ・パンスリンガム(วิทยา ปานศรีงาม)　他
評価：★★★☆

25本中16本が「大阪アジアン映画祭」ときたもんだ(笑)。さらに19本が「華語片」ときたもんだ(笑)。お好きですな、ホンマに。

ま、今年の最高作は『中英街一号』をおいて、他にはない。これを香港市民よりも早く「世界初上映」で観れたことに喜びを感じつつも、そうならざるを得ない、今の香港事情に「あの香港を返せ！」と、言いたい気分になったのは言うまでもない。今後も、こういう作品が増えてゆくのだろう。上映にあわせて来阪した、監督の趙崇基(デレク・チウ)の涙が、そんな香港の昨今を物語っているかのようで印象に残る。游學修(ネオ・ヤウ)、盧鎮業(ロー・ジャンイップ＝小野)、廖子妤(フィッシュ・リウ)の3人の主役も揃って来阪し、作品や香港を語ってくれた。

『中英街一号』が描いた1967年の「六七暴動」と同じころ、米・デトロイトで起きた、黒人差別に端を発する暴動での人間模様を描いた『デトロイト』は、久々に観た米国映画。50年前の米・白人社会における黒人差別の象徴として、非情な警官を好演したウィル・ポールターの表情づくりが、緊張をもたらし、同時に差別への憎悪を煽った。

社会性のある作品としては、台湾の電視電影(テレビ放映用映画)の『川流の島』が、非常に良かった。こういう作品を探してくるから、「大阪アジアン映画祭」は、見逃せない。台湾が抱える貧困や失業問題を、高速道路のETC導入で失職するシングルマザーの日々に投影した作品で、脚本の力を感じさせた。

同じく「大阪アジアン映画祭」では、まさか21世紀なって、再びスクリーンで観る日が来るとは！ と感激した『香港製造』が、やはり秀逸だった。こちらも、陳果(フルーツ・チャン)監督が来阪し、10数年ぶりの再会を喜び合えた。

香港映画では、香港でも評価が非常に高かったのが、『どこか霧の向こう』、『青春の名のもとに』の2作品。ただ、小生自身、『青春の名のもとに』はあまり評価は高くなかったのだが…。そこはまあ、もはや超ベテランの域に達した劉嘉玲(カリーナ・ラウ)と、新進気鋭これからの人である吳肇軒(ン・シウヒン)が、上手い具合に絡み合ったということか…。う～ん、ようわからん。

「これからの人」という点では、『どこか霧の向こう』の梁雍婷(レイチェル・リョン)、『血観音』の文淇(ヴィッキー・チェン)の二人がダントツだった。特に、文淇の魔性さえ感じるほどの「目ヂカラ」には、恐れ入るばかりである。二人ともこれからどんな女優になってゆくのか、興味津津である。

ってわけで、ベスト5を挙げておくと。

1.『中英街一号』
2.『川流の島』
3.『香港製造』
4.『私を月に連れてって』
5.『亮亮と噴子』

不思議なことに(笑)、「評価」の★の数とは、決して比例してない…。『亮亮と噴子』は短編だったが、李宜珊(リー・イーシャン)監督には、あの感覚で、是非とも長編を撮ってほしいもんだ。

ま、来年はせめて30本は観たいもんだが…。さて、ご縁のある作品が世に登場するのだろうか。要は「ご縁」ですよ、何事も。ね！

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