落語
第21回月亭文都独演会
1年なんて早い早い。ワーワー言うてるうちに11月である。で、もうひと頑張りワーワーと言えば、あっという間に正月が来る。別に年があらたまったところで小生に劇的な変化が起きるわけでなく、今どきの流行り(ちょっとすたれたかw)で言うところの、「リセット」なんてしようものなら、人生そこで終わってしまいそうなので、簡単にはやりたくないし(笑)。
ってわけで、今年も文都師の独演会の季節となった。ちょっと出かけるの億劫な日曜の夜だけど、日本シリーズ第2戦、我がホークスの戦いっぷりも気になって仕方ないところだけど、この独演会は毎回外せない。
<ネタ帳>
1.弾き語り『RUNNER』——月亭文都
2.時うどん——月亭秀都
3.皿屋敷——月亭天使
4.くしゃみ講釈——月亭文都
仲入り
5.腹話術——川上じゅん
6.百年目——月亭文都
いやいや、いきなりギター持った文都はんが出てきて、ちょちょまいましたわいな(笑)。ご自身が作った歌をご披露。あ~、わかるわかる…。「浜省大好き少年(今や中年w)」がいかにも作っちゃいそうな歌。最初、「えっと、浜省にこんな歌あったかな…?」と考えを巡らせてしまうほどやった(笑)。いいえいな、小生もその端くれなわけだが、「浜省大好き少年(今や中年w)」が歌を自分で作ったら、どうしてもこうなってしまう。それほどに浜田省吾の影響力は絶大なのである。今回の独演会のチラシや会場配布のパンフも、浜省の匂いが充満している。でも、この歌、気に入った。いいフレーズが散りばめられている。そうなのだ、♪立ち上がれ もう一度 突っ走れ♪ なのだ。
さあ、ここからは落語の始まり(笑)。
まずは秀都。だれかさんが辞めちゃったから、また再び一門の末弟になっちゃった。ま、その方がいいかもね、彼には。すっきり、かっちり、きっちりまとめた『時うどん』。相変わらず、無難にこなすヤツである。ま、「それはどうよ?」と思う点も無いことはない。うどんを食う場面、ズルズルと音を出すためには仕方ないのかもしれないが、「すると、アンタは何ですか?そないに大口開けてうどん食うんか?」と聞きたい衝動に駆られたりもした。そこはもうちょっと上手いことやんなはれ、関大の後輩よ!と。
続いて天使。この日は『皿屋敷』。以前に聴いたときより、かなり洗練されていた。確かその時に記したと思うが、「毎回、『ただ今、練りこみ中』という高座が多い」と思ってきたが、今回聴いた限りでは、どうやらその段階は乗り越えたみたい。あくまで今日の『皿屋敷』を聴いた限りでは、ということだけど。まあ、練りこみ中はそれでまた味があるんやけど、キャリア的にそれでは許してもらえないってところだわな。ぜひ、他のネタも聴いてみたいと思わせる高座だった。
さて、文都はん、この日の一席目は『くしゃみ講釈』。文都はんほどのベテランでも、ああいうハプニングあるんやな…。いっそのこと、くしゃみさせて困らせるより、張り扇を隠して困らせる展開も…、と思ったがそれでは『くしゃみ講釈』になれへんし(笑)。ま、ハプニング抜きにしても、堂々の高座。十分に笑わせてもらえた。つまりは、小生はこのネタが大好きなのである。
お仲入り後に登場は、腹話術の川上じゅん。我々世代なら誰でも知っている(はず)の川上のぼる師のご子息である。やってはるというのは知っていたが、舞台は初めて拝見。不思議なホワイトボードを使った芸が面白かったし、単に人形とお話しするだけでない新しいスタイルの腹話術でご見物衆を魅了していた。のぼる師、最後の舞台がこの繁昌亭だったとのことで、そんなご縁も感じながらの熱演。
トリはもちろん文都師。これが初演となった『百年目』。実は、初めてだったというのは、後日、ご本人から聞いたのだが、いやいや、そうは思わせぬ高座だった。すなわち「既視感、既聴感」のある語りっぷりだったわけで、この辺はさすがである。まあ、言われてみれば、終盤、ちょっと駆け足気味だったかなと思った程度で、そこは繁昌亭の終演時間との闘いであって、決して自分のハナシに焦っていたというわけでもないだろう、多分。番頭はんの一連の態度がかわいらしくもあり、旦那はんとのやりとりがおかしくもあり。サゲも秀逸で、ビシャっと独演会の終演をキメてくれた。
こんな具合で、文都はんの21回目の独演会も終わったのだが、ここ数年、必ず思うのだが、「もっと落語、聴かなあかんな」と。ハナシを聴いて想像を巡らせる力が確実に落ちているのだ。こりゃあかん。誰かさんの高座を「練りこみ中」とか言う資格なしである。ボケ防止のためにも、「もっと落語を!」と思う次第である。
(平成29年10月29日 天満天神繁昌亭)
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
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