大阪国際女子マラソンが開催される頃、大阪はもっとも寒い季節となります。
以前、大阪国際女子マラソンの沿道整備に出動させられたことが何度かありましたが、雪と寒風にさらされる年も少なくありませんでした。もう結構です。
この日も、大変な冷え込みとなった大阪。珍しく小雪が舞う、まさに「女子マラ日和」。-大阪は、小雪が舞うことすら珍しいのです…。
そんな熱いような寒いようなレースを見物せずに、行ってきたのは国立文楽劇場。
25期の文楽研修生の終了発表会が開かれたのであります。
去年もこの時期に「研修生発表会」が開かれ、幸運にも抽選に当たり、拝見することができました。
去年が「中間テスト」なら、今回はまさしく「卒業検定」。1年間で彼らがどう成長したかを師匠方が厳しくチェックする場であります。
同時に、我々文楽ファンとしては、脱落せずに2年間の研修をこなし、ここまで来た「新しい力」を迎え入れてあげようではないか、そんな場でもあります。
開演午後2時、すでに1時半には、劇場の外にも入場を待つ人の行列ができており、「新しい力」への期待の度がうかがわれます。
(「入場無料」に惹かれてきた人もいたことはいたでしょうけどねw)
開演時には、客席は本公演と遜色ないほどの入りとなっています。
研修生にはとっては、嬉しいことであったと思います。
<発表会演目>
一、『団子売』
芳穂大夫、希大夫、咲寿大夫、亘大夫
清丈`、寛太郎、研修生2名
人形:簑紫郎(足:研修生)、玉誉(足:研修生)
二、素浄瑠璃『菅原伝授手習鑑』 喧嘩の段
文字久大夫
研修生
三、素浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』 裏門の段
小住大夫
研修生
四、『ひらかな盛衰記』 逆櫓の段
咲甫大夫
宗助
人形:玉佳、玉彦、研修生2名(主遣いにて)
前年の「発表会」との違いは、会場が大ホールであること、よって本公演と同じ舞台で演ずること、人形遣いの2名は、足だけでなく主遣いもやる、三味線は人形浄瑠璃の床にも座して技量を発表すること、でしょうか。
小生は、「この時とばかり(無料ですからw)」、床の直下に陣取りまして、まずは研修生の三味線を拝聴&拝見。
と言いましても、素人ですからね、こっちは。去年より上手いかどうかなんて比較のしようもありません。ただ、間近で拍手を送ってあげたくて…。
恐らく、この日、満員に近いほど訪れたお客の多くが、そんな気持ちで見ていたと思います。そして「どうか、頑張ってほしい」、そんな気持ちで4人の舞台に注目してたはずです。
この後、彼らは師匠に付き、いよいよ文楽の芸人=技芸員としての道を歩み始めます。これからが厳しい芸の道の始まりです。偉そうな言い方になりますが、彼らの成長を見守り厳しくチェックするのは師匠の役目でもあり、同時にファンの役目でもあると思っています。
拙ブログで4人のことをバシバシとチェックでける機会が一日でも早く来ればいいな…。
発表会という性質上、個々の芸についてはあれこれ言いませんが、研修生4人の面構えが大変様子がよくって、その辺は去年とは違って、芸人らしくなってきたのかな、みたいなね。
あと、先輩として発表会のサポート役の立場にあった出演者のうちでは、裏門を語った小住大夫が印象に残ります。
技量は当然、まだまだですが、がむしゃらに義太夫節に立ち向かって行く声に、文楽の明るい未来の一端を見る思いがしました。
配布されたパンフレットに、4人が受けた研修のカリキュラムや各講師が記載されていましたが、あの素晴らしい内容の研修・講義を2年間受けることができるなんてのは、実に羨ましい限りです。国文学科出身としては垂涎のカリキュラムです。
「お金払うから、アタシも受講させて~」って、思いましたね。
志ある若者!研修生の募集受付は、2月28日までだ!さぁ、急げ!
って言いたいですね!
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。