【ウソのような話がまかり通ります】あ、80万アクセス突破です。*旧ブログ

どうやら80万アクセスを突破したようです。

その割にはコメント数の非常に少ないブログです(笑)。
さてさて、表題の件。
そう、隣国の話です。
さすがに「ちゅうごくLOVE」な人も、此度の高鉄事故の顛末を見て、愛想を尽かしたんじゃないですかね?
それでもLOVEな人も相変わらずいるんだろうけど、まあ、好きにしなはれ…。

あの事故に比べれば実に些細な出来事だったんですが、小生も隣国にやられた経験があります。
実に些細な出来事ではありますがね…。

当時、香港住まいだった小生はまだ若く(笑)、毎週のようにお隣の深圳やマカオでワイワイと楽しい週末を送っていたのであります。
今から考えれば、アホだなぁと思う一方で、日本にいちゃ、あの楽しさは味わえなかったよなぁと、ちょっとした優越感も感じたりするわけですが…。そこは価値観は人それぞれということで。

ある週末のこと。土曜の夜に深圳に入って、サウナやカラオケスナック、さらには楽しいことができるお店でさんざん遊んで、定宿に戻ったのは多分、夜中の3時ごろだったかなぁ。
翌朝はゆっくり起きて、昼前にまた「香港に帰る前にサウナでさっぱりしよう」と、同行者二人と、前日とは違うサウナへ。
その日は大雨でした。
サウナから出境ゲートのある羅湖駅に向かう道が、あちらの国らしく、通行人の利便を考えない化粧タイルでツルツル滑り、超危険な状態。
皆、足元を見ながらそろりそろりと歩いている。
ふと、デイバッグを見ると、なんとチャックが半開。

「え?もしかして?」

はい、もしかしてです。財布がありません。アホです。足元に気を取られてるうちに盗まれた模様…。幸い、パスポートは大丈夫。でも財布が…。
財布には現金は数100ドルだったものの、香港身分証、クレジットカード、キャッシュカードが。

ちょっと先を歩いていた同行者を呼び戻して状況を説明し、いざ、公安へ。
向かったのは、羅湖イミグレーションビル内の公安。
いや、すさまじいですね。喧嘩なのか強盗に遭ったのか知らないが顔面血まみれの男や、顔面半分が紫色に腫れている女とか…。何なんですか?深圳は?
こんな目に遭わなかっただけでもラッキーかというような被害者の皆さん方にビックリ。

ようやく順番が回ってきて、盗難に遭った旨、伝えますと、なんと!

「お前さんが盗難に遭ったという場所は、うちの管轄じゃないし。
そのビルの深圳駅(大陸側の鉄道駅)構内に公安があるから、そこで被害届出しなさい」

と。え~~、そんなんアリなんですか?と文句の一つも言いたいところだったけど、こっちとしては、とにかく香港へ戻れる最低限のことをしてもらいたいから、ぐっとこらえて、

「じゃ、そっちへ行くので、これこれで日本人が行くと伝えておいてくれないか」

と頼みましたところ

「だから、ウチは関係ないから、さっさとあっちへ行けよ!」

と。こみ上げる怒りをこらえて、指示された深圳側の公安へ。
盗難に気付いたのが午後2時半ごろ。この時点ですでに4時半過ぎ。
なんですか?この手際の悪さ。

さて、深圳駅構内の公安。
いかにもやる気なさそうな肥哥(太っちょデカ)が、まさしくやる気なさそうに

「あ~?財布盗られた?見つかるはずないやんか、ククククク…」

なんてぬかしやがる。そして、さらにやる気なさそうな、それでいて目つきだけ極悪人みたいな別の刑事に

「とりあえず、一緒に現場行ってこい」

と指示を出しますと、その極悪人目つきの刑事が

「これから帰ってメシにしようと思ってたのに、あ~、メンドクサイ!」

なんてほざくじゃありませんか!むかーーーーっときたけど、さっきも言ったように、香港へ戻るための最低限の手続きをしてもらわねばならないから、「忍」の一文字で、現場とおぼしき地点へ。

「大体、お前、本当に盗まれたのか?落としただけ違うんか?」

とか

「お前みたいなボンクラがいるから、深圳は盗みが絶えないんや、しっかりせえよ!」

などと罵詈雑言の限りを尽くします。
なんで、犯罪被害者がまるで犯罪者のようにボロカスに言われなけりゃならんのよ…。もう、怒りを越えて悲しくて悲しくてとてもやりきれない…。

そして挙句!

「ここでウロウロしたところで、どうせ見つからないから、もうええやろ、あきらめろ。
さっさと羅湖の公安に戻って書類書いてもらえ!」

なんて、ぬかしやがるじゃないですか!
さすがにカチンときましたね。そこは外国人の強みというか禁じ手というか

「じゃかしやい!アホンダラ!」<あ、表情は変えずにね、そこはw

と捨て台詞吐いて、羅湖の公安に戻りました。
ここでまたひと悶着。

「だからさあ、ここに戻ってきてもダメだって」

と先ほどの担当者。

「いやいや、あっちの人はここで書類書いてもらえって言うし。
どうすりゃええのよ、アタシは?あ~~~ん?」

しばらくこんな押し問答が続きましたが、最後には書類を書いてもらえることに。
この時点ですでに午後6時半。
何故、こないに振り回されるわけ? わからん。

教えて江沢民同志!

と心の中で叫んだのは言うまでもありませんw。
書類というのは要するに「この人物は香港身分証を盗難・紛失したので、この書類をもって香港身分証の代替とするので、通境させてあげて」みたいな証明書。
B5大のざら紙に印肉ベトベトの証明書作ってもらうのに4時間かかるのよ。それもあっち行け、こっち行け、ウチは知らん、あっちが担当等など言われて。おまけになんか悪い事でもしたかのような罵詈雑言を浴びせられ…。

この事件でもって、小生にとって深圳は「世界一嫌いな街」にめでたく君臨することになりました。よかった、よかった。
翌朝一番で訪れた香港の灣仔(Wanchai)警察。
金融機関と香港イミグレーションにカードや身分証再発行のために盗難届を出し、各証明書類を作成してもらったのですが、担当者は天使のように優しく、親身に状況を聴いてくれます。
ドブ川ひとつ隔ててこの天地の差は一体?このときほど「一国両制度」の有り難さを感じたことはありませんね。

謝謝、鄧小平同志!

余談ながら。
この事件、取り調べなどは当然ながら全編「普通話」です。
広東語は日常的にはほとんど問題なく使えますが、普通話は無理です。
ところがこういう場合は、脳内の回路がどういう具合にスイッチオンするのかわかりませんが、まさに「立て板に水」の普通話。同行者も
「レスリーさん、あんなに普通話しゃべれるんですか?」
と驚きの表情。
きっと外国語ってこんな具合に、窮地に追い込まれればいくらでも身に付くんでしょうね…。
金輪際ごめんですが。

この体験談が特異なケースだったのか、はたまた日常的なことなのかはわかりませんが、高鉄事故を見ていて、別にあの日の出来事が特異なケースではなかったんだろうな、と思い出した次第。


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