20世紀最大の?政治イベントだったのかもしれない「香港返還」から、14年となろうとしています。
14年前の今頃(6月30日午後11時ごろ)は土砂降りだったなぁ。
数日前から記録的な豪雨、そして返還後数日間も記録的豪雨。
とにかく、「香港返還」と言ってすぐに思い出すのは、連日の豪雨と返還連休明けに、顔中傷だらけで出社した香港人上司(飼い犬の散歩中に突然引きずりまわされたらしいw)。
そして、自宅から見える香港仔(Aberdeen)漁港外海を航行する人民解放軍艦隊。
さて、返還14年を控え香港では、と書きたいところだが、すでに香港を離れて1年半が経過しているからねぇ。
何も書くことがない、と言えばそうなんですが、一応、元住民としてそして現在も香港永久居留民である身として、ちょっとだけね。
6月24日付の香港各紙の報じたところでは、「香港特区成立記念日」7月1日に行われる民主派デモの規制が強化される、と。
警察から主催者の民間人権陣線=民陣へ通達された内容のうち、新たに規制対象となる行動及び順守事項は、
(1)政府の定める区間を歩き終えたら即解散
(2)行進の最中の募金活動禁止
(3)道路上での楽器演奏禁止
(4)行進は正常な速度を保つ
(5)行進終了後の滞留禁止
など。
従わない場合は条例違反として起訴もありえるということで、参加者側はこれを不服とし告訴を決定。facebookを通じて、通達に反発し楽器を持ってデモ参加を呼びかける動きもある、と。
で、民陣は警察からの通達について、公衆集会・デモ上訴委員会に上訴。同委員会は28日に裁定を下し、警察は規制内容を一部修正することに。
警察側による「デモ隊が政府本庁舎に到着したら即解散させる」との要求に、同委員会は民陣がこれを保証できないことを認め、警察の通知では「警察側が参加者を解散させるのに協力する」に改めるなどの修正が加えられた。また、「道路上での楽器演奏禁止」については警察のスポークスマンが「公衆の迷惑にならなければ警察は関与しない」と表明、と。
まあ、ゴネてみるもんでんな(笑)。
楽器演奏はできるだけ上手にやってもらいたいもんですな。どこから調達したのかわからんけど、民族打楽器みたいなのを不規則なリズムで叩きまくってるという集団がよく参加してたけど、ああいうのは、非常に耳障りなんで、警察はきちっと取り締まってもらいたいです。
にしても、民主派はおかしい。
この通達の何がダメなのかな?俺にはわからんわ。
極めて常識的な通達であると思うなぁ。
逆に言えば、こんな「常識的なこと」がこれまで守られていなかったというほうが、ダメでしょ。
決してこの規制は、西側メディアが好きな「デモの自由度の低下」なんかじゃないですから、勘違いしないでね。
民主派自ら招いた結果なわけですから。わざと規制されるようにしてるんじゃないかとさえ思えてきますからね。
そもそもが騒々しいんですよね、民主派のデモ行進は。六四(天安門関連)のデモしかり、最近は少ないけど民主派主導の反日デモしかり。
小生はブログでも何度も言ってるけど、返還後の社会をミスリードしているのは、民主派だと。
とくに、2003年の7月1日の50万人(主催者いわく)デモ以来、ひどいなぁ。
そりゃ、連中は連中なりに「焦り」とかもあるだろうけど、そこはそれ、一応「民主」を名乗ってるんだから、もう少し穏やかにできないものかね、なんて思うわけです。
それまでも7月1日にはデモはありました。ただ、数百人規模で市民を巻き込むようなものではなく、活動家のマスターベーション的な「儀式」として。
2003年は「SARS明け」直後で、市民が街に繰り出したくてウズウズしていたという社会背景もあったけど、なんか必要以上に「危機感」を煽っていたような。さらに部数の多い『蘋果日報』が自社イベントのようにノリノリで扇動報道するから、「なんかわからんけどデモに行っておくべきか?」みたいな空気が蔓延していて、それこそ「民主のファシズム」状態が醸し出されていたわけで。
そこらへんからですね、「明日の民主デモには少なくとも10万人が参加の見込み!」なんて「事前予想」とかあって、前にも言ったけど『蘋果日報』主催の「暑さなんてぶっ飛ばせ!家族みんなで健康ウォーク」みたいになってしまったのは。
だから、本来のデモの趣旨からかけ離れたテーマを掲げて参加する団体や市民も増えてしまい、一体、このデモは何を求め、何を訴えてるんだろう? と、沿道からデモを観察していて、いつも疑問に感じていたわけです。
おなじみ「長毛」の棺桶パフォーマンスや、フィリピン人家政婦団体の民族舞踏団? とか、ゲイ団体の仮装行列? とか…。
もちろん、警察側との衝突もあったりで、これじゃ、伝えたいことも伝わらないだろうにと、他人事ながら心配してあげちゃいます。
当人たちはいたって真剣なんだろうけど…。どうにも、在住の一外国人としての小生には、規範無き素人パフォーマンスパレードにしか見えないんですよね、残念ながら。
一方、親政府各団体側は例年、午前中の涼しいうちに、あくまでも「香港特区成立記念日」を祝賀した大規模な記念イベントを開催しています。
見ている分には午後の民主派のデモの方が、パフォーマンスとしては面白いんですがね(笑)。
特に今年は力が入ってるみたいで、毎年行われているパレードに代わり、今回は「カーニバル」をテーマにおよそ40団体が歌舞音曲の限りを尽くすとか。
人民解放軍駐港部隊や小中学校生も演奏やダンスで参加。人民解放軍はいいよ~、美男美女ぞろいだから、一見の価値あるよ~。
当日が返還から14年、5110日目ということで5110個の気球が上げられるという。泣き言一色、悲壮感あふれる素人芸の行進より、楽しそうですね(笑)。
民主派のデモ行進は楽器演奏が一切禁止されるが、カーニバルには警察から特別な要求はないこと問題視する声も上がってるようですが、そんなん、親政府団体が主催する「祝賀行事」と、民主派が主催する「限りなく反政府的」なデモを一緒にしちゃいけませんわな。
さて、明日はどんな民主派デモになるんでしょうか?
もし、香港旅行でデモに出くわしてしまった気の毒な観光客は、これはひとつの風物詩、祭礼、そう、祇園さんの山鉾巡行や天神さんの陸渡御の隊列に出くわしたようなものと思い、旅先でのラッキーな思い出にしてしまいましょう。
民主派デモに、そういう「心のゆとり」みたいなのがあれば、警察もあれこれ規制なんかしないでしょうに。
つまりは、何事につけてもヒステリックなんですよ、連中は。
—–
COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 07/07/2011 18:05:43
「民主派」というのはやはり大いに疑問であります。「六四」当時もあれは外国の工作があった、と感じていましたが。当時はその工作もよし、と考えていました。しかしその後の世界の変容で、あの工作はシナ日本両国にとっては好ましからぬものであった、と考えるようになりました。民主ということ自体が実に欺瞞と偽善に満ちたものであること、いわゆる「民主国家」においてさえ民衆操作にしかすぎないこと、それは、わが国の「民主的」政権交代で「民主」党が与党になり今現在も国と国民に多大なる災害をもたらし続けている、この事に象徴的に現れているのではありませんか。
香港の場合がどうであるかはレスリーさんのご意見を拝聴するばかりでありますが、「返還後の社会をミスリードしているのは、民主派だ」、とはまさに卓見ではないか、と感じました♪
—–
COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 07/08/2011 00:14:43
To 丸山光三さん
「尖閣に人民解放軍を派兵して、力づくで日本軍国主義から釣魚台を奪回せよ」などと言う「民主派」は、香港ならではでしょう。
香港人の多くも「民主派」の今のあり方には、大いに疑問を抱いているのは間違いないとは思いますが、このデモのように「お祭り騒ぎ」を企画したり、「保衛釣魚台」のような民族主義に訴えたりすると、つい心が動いてしまうのでしょう。
結局、そこから何も生み出してないのが現実なんですが…。
この状況も「50年不変」なのかもわかりません。
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。
1件のコメント