【国慶節】ダラダラ書いてみた*旧ブログ

本日、10月1日は「中華人民共和国」の建国58周年、「国慶節」であります。

よく、「中国4千年の歴史!」なんて言いますが、現在、「ちゅうごく」と称される国家は、たかだか58年の歴史の浅い国であります。「4千年の~」など、厚かましいにもほどがあります(笑)


その「ちゅうごく」に主権が移行されて10年を迎えた当地香港も、国慶節を祝うわけですが、「58年」という中途半端な周年ということと、やはり自分たちの10周年でカネも使ったからか、夜の花火以外は、さほど大きな行事はありません。

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角ごとに五星紅旗が立っております、我が街・香港仔(Aberdeen)田湾村
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拙宅の真向かいには中共系『文匯報』本社があり、色とりどりの幟で慶祝国慶!

例により、97年の返還では「一夜のうちに」転向した我が町、香港仔(Aberdeen)は数日前から五星紅旗があちこちに設置されております。それ自体は、建国記念日なのだから、国旗たる五星紅旗が街中にあふれるのは当たり前のことでして、あふれない日本のほうが異常と言えましょう。

ただ、何度も書いてきましたが、それこそ96年までは、もうひとつの「ちゅうごく」中華民国の建国記念日である「10月10日=双十節」に、これでもかと青天白日満地紅旗を並べていたこの町が、97年6月25日以降はあっさりと五星紅旗に乗り換えてしまう、この変わり身の早さをまざまざと見せ付けられては、どうにも香港人(へぉん・ごん・やん)というのが信用ならないんです。

「所詮、香港人も支那人だから、そんなもんよ」

って言われればそうかもしれませんが、少なくとも、96年までは英国統治下で西側の教育を受けてきたのに、なんだよこれは! という「裏切り」にも似た、ちょっとした失望も感じたのです。

もっとも、10年前ですから小生も在住2年目、まだまだ香港と香港人にガイドブック流に言えば「東西文化がバランスよく混じりあう」みたいなことを期待していた、という浅はかさもありましたが、今じゃ、そんなこと決して考えてません。ってか、期待も理想も何もありません、「お好きなように、どうぞ~」というところです。

さて、
国慶節連休を前に、12月に行われる立法会の香港島選挙区補欠選挙に、汎民主派の推挙を受けて立候補した、元・政務長官の陳方安生(アンソン・チャン)女史に対抗する形で、親中派を含む「非民主派」の推挙を受けて、元・保安局長の葉劉淑儀(レジーナ・イップ)女史も立候補を表明しました。

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「イカツイ」かつてのイメージを一転、「微笑み作戦」に出た葉劉淑儀(RTHK)

2003年7月1日、あの歴史的な「50万人デモ」を誘発してしまったのがこのオバサン。国家保安条例(基本法23条に基づく)の立法化を中共から急がされた当時の董建華(C.H.トン)行政長官にさらに急がされて、きっと自分でも「何がなんだか?」って感じで、立法化を急いだもんだから、その発言もしっちゃかめっちゃか。「(みんな反対だと言うが)マクドの従業員やタクシー運転手が法案の内容を理解してるとでも言うの?」などなど、口を開く度に市民の反感を買い、ついにデモの後に辞任してしまいます。

そうした失言については立候補表明会見でしっかり謝罪していましたが、なかなか市民の目は厳しいようで、親中派の大票田である北角(North Point)での「拉票行動(選挙活動)」では、ビラの受け取りを拒否されたり、罵声を浴びせられたりと散々だった様子。

一方の陳方女史は、各地域で歓迎されているとのこと。そりゃそうでしょ、旧政庁時代から長きに渡って政府ナンバー2、すなわち全公務員のトップにあった人です、人気・知名度は広く海外にも知れ渡るところです。

じゃ、選挙も陳方女史でキマリでしょ?

とはいかないようです。
日刊紙『明報』のWEB上での調査では、10月1日現在、約23万の投票があり、63%が葉劉女史支持という数字が出ています。もちろん、組織票が動いているのでしょうけど、まあ、世間の考えとさほど違いはないと思われます。周囲の香港人に聞いても、「陳太(マダム・チャン)は好きだけど、立法会で議席を取ったところで、何かが劇的に変わるわけでなし。むしろ、中共との関係が悪化しないかと心配してしまう」。だから、陳太には投票しないだろうと言います。

じゃ、葉太に入れるんだ?
「それも嫌だから選挙には行かないでしょうね~」

だそうです。

となると、やはり労組や実業界に確固たる基盤を持つ親中派が推す葉劉淑儀が有利と言うことになりますね。

こればかりは終わってみないとわかりませんが。その前に実施される区議会選挙も民主派と親中派がぶつかり合います。前回、「50万人デモ」の影響をモロに食って、親中派は大敗を喫しただけに、激しい選挙戦となるでしょう。

そもそも
多くの香港人が「陳太が好き!」と言い、西側メディアも「香港の良心」と持ち上げますが、はたして、そんなに「いい人」なんでしょうか? 民主派なんてよく言うよと思うのは、かつて尖閣で大騒ぎだったときに、オーストラリアかどっかで報道陣に「釣魚台についてひとこと」と聞かれ、「『シェンカックアイランド』の件は…」と言ったとしてボロクソに吊るし上げていたのに、人なんてコロッと変われるもんだな~。そうそう、再び尖閣や教科書など「いわれなき」反日が巻き起こったとき、反日活動の先頭に立つ民主派の中で陳太はどういう立ち回りをするんだろう??

いっぽう
国慶節の10月1日から本土はほぼ1週間、お休みとなります。旧正月、5月の労働節と並ぶ「黄金週間」です。例により、大陸旅団が大挙押し寄せて、香港を潤わせてくれます。もう、「大陸人様サマ」です。ありがたいことです。SARSでどん底だった香港経済立て直しの一環として、中共が段階的に大陸人の香港マカオへのビザなし渡航解禁を始めて早や4年。いまや、大陸旅団の訪港なしでは、香港経済、とりわけ観光産業は成り立ちません。

今回も、団体客10万人、個人客40万人の約50万人がやって来て、その消費額はなんと40億人民元(約600億円)というから、日本人客なんて別に来ても来なくてもどうでもいいってとこでしょう。

国慶節大陸人2007-1
大陸人が列をなすヴィトン
国慶節大陸人2007-2
こちらマカオの「ベネチアン」も大陸人だらけ

だがしかし!
マカオの追い上げはすさまじい。同時期にマカオを訪れる大陸旅団は45万人。5万人の差に迫られております。香港とマカオの土地の広さやホテルの部屋数を考えると、すでに「惨敗」と言っていいでしょう。やはり黄金周の直前に開業した大型リゾート&カジノ「ベネチアン」の威力でしょう。小生の周囲の日本人も次々とベネチアンを体験しています。2,3日前の産経夕刊には香港を自由選択のオプションとした「マカオ、ベネチアンの旅!」なる全面広告が出ていましたが、香港のホテル料金の高さと部屋の狭さを考えると、ベネチアンに宿泊しなくとも、マカオのほうが楽しめそうです。すでに「死に体」の香港ディズニーランドでは、客を呼べないですし…。関空-マカオでは直行便も就航したということで、ますます、マカオが活況を呈するでしょう。

ま、国慶節の香港、こんな感じの今日この頃です。
長ッ
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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 10/02/2007 20:03:06
50年は変化ない、との鄧小平の空約束が、くすんだ上空を虚しく空ろに漂う雰囲気がよく出ていました。で香港は昨日だけお休みですか?
こっちは明日がお休みです。ドイツ統一記念日です。統一からこっち貧しくなった西ドイツ、立場は逆ですが香港人の心の中の嘆きと諦めがよくわかる気がします。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 10/03/2007 14:31:01
To マルコおいちゃんさん
香港は10月1日だけが休日ですが、その前が土日だったので実質3連休でした。
>香港人の心の中の嘆きと諦め
諦め、は多分そうでしょう。嘆き、さて果たして嘆いているんでしょうか? 私にはそうは見えないんですよ…。
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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 10/04/2007 05:17:39
To leslieyoshiさん
>諦め、は多分そうでしょう。嘆き、さて果たして嘆いているんでしょうか? 私にはそうは見えないんですよ…。
なるへそね・・・
共産軍に「解放」された上海市民もきっとそうだったんでしょうね。
民以食為天、それがすべてということか・・・?
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 10/05/2007 00:49:51
To マルコおいちゃんさん
>民以食為天、それがすべてということか・・・?
この10年ですっかりそんな雰囲気が出来上がったように思えます


1件のコメント

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