【返還10周年】思い出話(45)「尖閣」その5 *旧ブログ

まずはご報告から。
6月18日未明に、拙ブログもようやく2万ヒットを超えました。
記者、ユーザーともに強力なブロガー居並ぶ「イザ!」で細々とやってます。引き続きよろしくお願いいたします。

さて、相変わらずヒット数がこれまでとは比較にならないほど増えている「尖閣もの」も第5弾。返還の思い出として1996年秋の尖閣騒ぎを振り返っております。
活動家の尖閣海域での溺死と言う惨劇に至った騒ぎ。これで一段落かと言えば、まだまだ騒動は続きます。まさに「弔い合戦」。
【96年10月6日】
溺死した陳毓祥氏の葬儀。棺には新華社から贈られた「五星紅旗」。その陳氏はどちらかというと親中派人士でしたので、今度は民主派が船を仕立てて、尖閣上陸と日本青年社が建てた灯台破壊を目指して、台湾の「新党」(外省人主体の政党)とともに台湾は基隆から出航。今回もまた、多数の報道陣が乗り込み、「戦況」を刻々と伝えます。

そして。
【10月7日】
いや~な予感的中。朝のニュースは、いままさに尖閣に上陸しようとする「保釣隊」の動向を伝えています。ついに、我が国固有の領土に香港&台湾の不法入国者が堂々と上陸し、「五星紅旗」と「青天白日満地紅旗」を打ち立ててしまったのです。腫れ物に触るかのように、遠巻きに奴らの上陸を見ているだけと言う感 じの海上保安庁。一方の上陸メンバーは時々、銛で海保を威嚇しながら尖閣の地を土足で踏みにじる。そんな腹立たしい光景を朝っぱらから見せつけられて、不 快指数急上昇。
即座に新聞各紙は「号外」を撒き、香港中は戦勝気分に酔いしれます。すぐに提灯行列でも始まるんじゃないかという雰囲気。さらに不快指数上昇で立ちくらみさえ覚えましたよ。

ところが。
「五星紅旗」と「青天白日満地紅旗」ってのがよくなかった。
意気揚々と基隆に帰港した連中を待ち構えていたのは、台独派。香港メンバーの宿泊先を取り囲み「五星紅旗を立てたお前らはアカだ!」「香港人は出てゆけ!」と、ナマ卵と罵詈雑言の限りを投げつけたのでした。
また、香港メンバーは香港メンバーで「台湾側は自分たちだけ早い船に乗りやがって!」「遠征費用は市民の寄付でまかなったのに、まんまと台湾の新党の宣伝に利用された」などと台湾チームを罵ります。香港内でも台湾系の民主派政党「123民主連盟」が「五星紅旗は台湾人の感情を著しく傷つけた!」と批判。対して親中派政党「民建連」は「日本軍国主義を支援するのか!」、民主党も「中華人民共和国が唯一の中国。五星紅旗を立てたのは天地の理にかなう行為」と反論するなど、奇しくも「中台対立」罵倒合戦に。この辺がまだ英国植民地のお気楽さ。そして所詮、民主派もこんなもんってのを自ら露見したと言う次第。

その裏で新華社では「日本青年社から『すべての中国人を殺す』と言う手紙を受け取った」と発表し、市民感情を煽ることこの上なし。
10月8日には保釣一行が香港に「凱旋」。市民の熱狂的な出迎えを受けるも、民主党立法評議会議員で隊長の何俊仁(アルバート・ホー)氏は「日本軍国主義に邪魔されて灯台をぶっ壊せなかった」と、涙ながらに隊員や市民に謝罪。
さらに。
10月9日、台湾チー ムに罵られた腹いせか、民主党の何俊仁、曽健成の両議員を含む約20人が在香港日本国総領事館に乱入し、約30分間にわたり領事館ロビーを占拠するという 暴挙に。「日本軍の中国侵略に比べれば大したことではない!」と、テロ行為を正当化する「民主派議員」には哀れみを感じました。翌日には、乱入を阻止しよ うとして負傷した警備員と、観光ビザ申請に来ていた香港市民にのみ謝罪しましたが、領事館と日本国政府には「釣魚台占領に比べれば、何の問題もない」とし て謝罪せず。愚かなる連中であります。こういうアホどもが議員として政治を動かしている香港、我々には選挙権はありませんが、絶対にこいつらを返還後の議会に当選させちゃならないと思ったものですが、奴らの多くは今も現職議員です。まったくトホホな香港です。

おまけに。
一応、この領事館占拠事件で、一連の「保釣行動」は終息を見るわけですが、愉快犯とでも言いますか、警察に「オウム真理教」を名乗る男から「尖閣上陸の報復として地下鉄にサリンをまく」という謎の電話があったり、「学校に爆弾仕掛けるぞ」との脅迫電話が教育署にあったりと、わざとらしい「事件」が続きましたが、不快な日々は終わろうとしていました。

最後の最後は、10月22日。サッカーのアジアカップウィナーズカップ準決勝戦「名古屋グランパスエイトvs サウスチャイナ」が香港大球場で行われた日です。このときとばかりに「領事館乱入」のテロリストたちは領事館へ抗議に向かいましたが、民主党の何俊仁、曽 健成の両議員は領事館が入居する「エクスチェンジスクエア」への入館さえ許されず。「警察の日本軍国主義と結託した職権濫用だ!」と激しく抗議。アホや な~。
そのサッカー、見に行きました。
メーンスタンドは香港人で満席。我々日本人はというと、「日本人のみんなこっち」と書かれた張り紙に従って、バックスタンド2階席の片隅に追いやられま す。試合中、急進的民主派の「長毛・梁国雄」が「打倒日本軍国主義」の横断幕を掲げファンの喝采を浴びますが、即時に没収。また、小生の近くで小学生がハ ンカチ大の日の丸を振っていましたが、これも即没収。
試合は双方、緊張していたのか、これと言う見せ場もないまま2-2の引き分けでグランパス準優勝。アタクシどもは試合よりも、メーンスタンドを埋め尽くした香港ファンのリアクションがおかしくてずっとそれを観察。とにかくちょっとしたことで立ち上 がって一斉に「でぃ~う(ファックの意味)」の大合唱。2万人の「オxx」の合唱なんてそう何度も経験できるもんじゃありません。100人程度の日本側も 負けていません。子供たちが頼もしいんです。「中国人弱っちょろいぞぉ~~!」。子供たちも相当鬱憤がたまっていたんでしょうね。

こんな感じで2ヶ月に渡る尖閣&反日騒動は終わりを告げました。
次回、これだけの騒ぎになった背景などをサクっと整理して、尖閣シリーズの締めくくりといたします。
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COMMENT:
AUTHOR: –
DATE: 06/19/2007 12:19:32
20000ヒットおめでとうございます。
香港の生の様子が伺えた「尖閣」シリーズ良かったッス。
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 06/19/2007 14:36:05
To ftkstさん
>20000ヒットおめでとうございます。
ありがとうございます!
>香港の生の様子が伺えた「尖閣」シリーズ良かったッス。
最近は本土のほうが何かと話題が多く、こちらは静かなんで、昔話を中心にやってます。それにしても「尖閣」は大人気です!皆さんお好きなようでw
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COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 06/19/2007 17:53:29
我が国領土上で、せこい国共内戦が行われていたという、またそれがどんどん飛び火していたわけですね。もっとやり続ければいいのに。
しかしそれにしても、以前ご指摘になった、香港民主派の罹病した「シナという病」の重さにはうんざりです。英国へのルサンチマンを、そんな形でしか処理できない哀れさを感じます。
10万ヒットめざして驀進してください。とりあえず恭喜恭喜!
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COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 06/19/2007 20:58:27
To マルコおいちゃんさん
>我が国領土上で、せこい国共内戦が行われていたという、またそれがどんどん飛び火していたわけですね。もっとやり続ければいいのに。
一般市民の関心が長続きしないんですよね~。
>しかしそれにしても、以前ご指摘になった、香港民主派の罹病した「シナという病」の重さにはうんざりです。英国へのルサンチマンを、そんな形でしか処理できない哀れさを感じます。
きっと奴らももがき苦しんでいるはずです。中華・中共(民族主義)と民主の間で。
>10万ヒットめざして驀進してください。とりあえず恭喜恭喜!
多謝! 但是…10万なんていつになることやら…


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