『蘋果日報/アップルデイリー』が連載中の返還10周年企画から。
【1997年4月14日】 大気汚染は10年で深刻な事態に!
大気汚染はいまや香港で最大かつ深刻な環境問題。10年前にはすでに兆候があった。97年の今日、4月14日、天文台は「ビクトリアハーバーの視界は過去20年で最悪の状況」との研究報告を行った。報告によると、悪天候時を除き、ビクトリアハーバーで視界が8㎞を割ることは、70年代中期には年間180時間だったのが、90年代初頭には同450時間に増えた、とし、10年前後で深刻な事態になるだろうと警告した。
香港特区政府では近年、「藍天行動」を展開しているが、大気汚染は改善されていない。天文台の最新資料では、2006年の視界8㎞未満の年間時間は1258時間に達した。10年前の97年には975時間だった。環境保護団体では珠江デルタの工場廃棄物の密接な関係を指摘している。
当時掲載された写真(蘋果日報)
ということです。ほんと空気の悪さには参ります。
それこそ10年前は「春霞かな?」などのんきに構えていたのですが、一度、本土へ入れば、そんな悠長な「霞」でないということは一瞬でわかります。「珠江デルタの工場廃棄物の密接な関係」なんてのは子供でもわかるわけで、それ以外に何の原因もありません。
先日も日本からの出張者をビクトリアハーバーの夜景見物に案内しましたが、この視界の悪さでは100万ドルの夜景の魅力も半減です。
過去には大気汚染を理由に国際会議がキャンセルされたことや、直接の因果関係は不明にしろ、大気汚染のひどい日に実施されたマラソン大会で参加者が死亡するなど、まさに香港の「死活問題」に発展しているのです…。
いずれ自分の身を守るために、香港から撤退する日が来るのでしょうか。
在大阪香港永久居民。
頑張らなくていい日々を模索して生きています。