【馬は走り続け、ダンスは舞い続く】大富豪夜総会閉店へ*旧ブログ

6月14日付の香港各紙が伝えるところによると、尖東(Tsim Sha Tsui East)の老舗大型ナイトクラブ「大富豪夜総会=CLUB BOSS」が結業(閉店)するという。

1837166

日本のバブルはとっくにはじけてしまっていたけど、香港がまだまだ好景気だった(と記憶している)ある日、僕はそのころの恒例により、旧正月前の香港へ3泊4日のお気楽旅行。そう、まだ当時は香港居民ではなかったのだ。

お取引先の粋な計らいで、現地法人の方々に「ご接待」していただくことになったボク。普段は個人で裏町を探検しているボクにはそれまで縁がなかった海鮮料理をたらふくごちそうになり、「次、行きましょ!」とご案内いただいたのが、ここ、大富豪夜総会である。

噂には聞いていた。まるで夢の別世界だと。
そして噂は事実だった。「ゴージャス」とはこういうことを言うのだ!

噂通り、店内を黄金のロールスロイスが走っている。
こんな美人、香港のどこに棲息してたのか!
と目を白黒させるばかりの綺麗どころが、入れ替わり立ち替わり席に着いてくれる。こんな愉快な世界があるんだ…。

広東語も英語もほとんどゼロレベル、北京語がなんとかあいさつ程度という一介の旅人だったボクが、言葉の不自由をまったく感じることなく存分に楽しめることにも感激。

2時間ほど夢の別世界を満喫したろうか。
どの子がよかったです?
と、お取引先の現法シャチョーさん。
店出るまでは我々が持ちますけど、そっから先は、ご自由に(笑)
噂には聞いていた「お持ち帰り」…。
いざ選ぼうとすると、困るのだ、これが。甲乙つけがたい。そして酔っ払ってたかどうかわからないけど、全員が「Joy」って名乗ってたような気もする…。

で、結局「じゃあ、Joyさんで」とリクエストすると、しばらくすると一番のお気に入りだった子が。チーママさんによると「アナタ、あの子と一番楽しそうだったから」と。よく見てるね、ってか、俺、そんなにわかりやすい表情するんですか?(笑)

その夜、はしゃぎすぎて、およそ一晩を全裸かそれに近い状態で過ごしたからか、翌日からボクは38度を超す高熱に見舞われ、残りの滞在日をホテルのベッドの上で唸りながら過ごすというカッコ悪い結果になってしまった…。

余談ながら、帰国した次の朝、阪神大震災に見舞われた…。

もうひとつ余談ながら、香港に住まうようになって、一度だけ自腹で行ったことがある。日系企業の「ご接待」ってのが、どれほど巨額の恩恵を香港経済にもたらしていたのかがわかった。

今話題の『黒フサ習慣』はコチラから

閉店の理由は、金融危機などの影響で近年客足が落ちたことに加え、本土やマカオに客が流れたこと、また管理費や維持費などのコストの増大などが挙げられている。

香港返還が合意に至った「中英共同声明」が交わされた1984年の開業。
「日式夜総会」の旗艦店として話題を呼び、まさに「黄金時期人頭湧湧的盛況(=黄金時代には人が湧き出るような盛況ぶり)」。-ただ、何をもって「日式」と言うのか、よくわからないのだけど…。

当時、鄧小平は返還後の「一国両制」をわかりやすく表現するために、「馬照跑、 舞照跳(=馬は走り続け、ダンスは舞い続く)」と言ったのである。「返還後も、競馬もできるし、夜総会のにぎわいも続く」、だから余計な心配はするな、という意味である。

すっかり忘却の彼方にあった「馬照跑、 舞照跳」という言葉だったけど、その象徴とも言うべき大富豪夜総会が返還15周年の年に姿を消す。

ま、色々あるわな、15年という歳月には。

——————————————————————————————-
COMMENT:
AUTHOR: 丸山光三
DATE: 06/18/2012 15:22:04
ウオッホッなJoyな一夜とその天罰の想い出のトポスが消滅することになり悲喜交交ではありませう。ご自愛ください♪
—–
COMMENT:
AUTHOR: leslieyoshi
DATE: 06/18/2012 15:59:26
To 丸山光三さん
やっぱり熱出たのは「天罰」でしたかww





コメントを残す